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CROSS 第9話 『名誉の戦死』

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第3章 救助作戦



 放送の最後に、山口はヘーゲルと佐世保に、指揮官室に来るよう
に言った。ちょうど、食後のティーブレイクをとっていたヘーゲル
と佐世保は紅茶を飲み干すと、足早に指揮官室へと向かった。その
後ろを、犬走椛が静かについていった……。



 ヘーゲルと佐世保が指揮官室に着いたときには、山口はもう部屋
にいた。山口は指揮官席のイスに腰かけたまま、作戦地図を眺めて
いた。ヘーゲルと佐世保に作戦地図のここを見るように言った。彼
らはいっしょに、孤立部隊の位置を見た。そして、
「やまさん。まさか、ここに行くっていうワケですか?」
佐世保が苦笑いしながら言った。
「怖いのか?」
「…………」
「山口少佐。この部隊の救助に向かうのには、この城壁の上の通路を通るしかありません」
ヘーゲルが作戦地図の上をなぞりながら言った。
「ああ、濃霧のせいで危険だからな」
「いつ崩れ去るかわからない城壁の上を歩くんですか?」
佐世保がまた口を挟んだ。
「そのために工兵隊を連れて行く。ヘーゲルは基地でバックアップ
 を、オレとおまえは先頭に立って指揮を取るんだ」
「真っ先にやられちゃうじゃないですか!」
佐世保はわめいた……。ヘーゲルは作戦地図を見ながら考えていた。
「……『ジャイロ』に乗って行こうじゃないか! サイドカーをく
 っつけてさ!」
山口がドヤ顔で言った。
「『ジャイロ』って、あのオートバイ型ロボットのことですか?
 まだテストが済んでいませんよ!」
「実地テストといこうじゃないか!」
山口はそう言うと、電話器を操作して、どこかと連絡を取り始めた。
どうやら、さっそく救助作戦の準備を始めたようだ。
 佐世保は頭を抱えながら、指揮官室を後にした……。