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CROSS 第9話 『名誉の戦死』

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「CROSSの山口少佐!!!」

 突然、大声とともに対空機関砲の影から、犬耳をつけた白毛の少女が飛び出してきた。山口は一瞬、ピストルに手を伸ばそうとしたが、胸に付けてる従軍記者のIDカードに気づくと、ため息をつきながら手を戻した。従軍記者に銃口を向けたりしようものなら、こいつらは喜んで新聞のネタにするだろう……。
「私は幻想共和国の『天狗通信』の従軍記者の犬走椛という者です。
 取材です!!!」
山口は佐世保たちが降りていった下り階段のほうを指さした。
「オレより部下や隊員たちに取材してくれんか?」
「いえ、幻想共和国の評議会での公聴会への出席を拒否した件についてもお伺いしたいですし……」
しかし、犬走椛は引き下がらなかった……。
「後にしてくれ」
「すぐ終わりますから!」
犬走椛は道を塞いだ。
 そこで山口は深呼吸してから、自分の胸に付いてる赤いバッジを指さして、犬走椛にドヤ顔で見せつけた……。
「……強引な取材をやめないなら、このバッジをくれた吸血鬼の御方にこのことを報告するぞ?」
「!?」
その赤いバッジは、赤いコウモリが刻まれているバッジだった。そのバッジが何なのかを知ってる犬走椛は震え出した。
「そ…それじゃ、後でけっこうです!!!」
犬走椛はそう叫ぶと、下り階段のほうへ全力疾走で走り去った……。
「紅魔館さまさまだな……」
山口はそうつぶやくと、ニヤリとした。近くにいた兵士はポカンとした表情で、彼をただ見ていた。
 そして、彼は、指揮官室へ再び向かい始めた。