アイツ恋愛
もし、ただの友達に告白されたら?
こんなことを聞かれて、まともに答えれる人なんていないだろうね。そんなこと承知で聞いているんだし。
今の世の中、友達であればたいていの人は付き合うだろうね。じゃあ、これはどう?
もし、振った人を好きになったら?
1犬猿の仲なのに!
「・・・は?もっかいいって」
土曜日の午後。私、榊 凛華は青空の下で素っ頓狂な声を出した。
「だから、俺と付き合って欲しい」
そういったのは、幼馴染で犬猿の仲の三笠 涼。
「それって、私のことすきってこと?」
ストレートに私は聞いた。
「・・・うん」
涼はぽつりと言った。
「え!」
私は気が動転してしまった。同時に、告白されたのか、とやっと気が付いた。反応が遅い。うううぅ・・。まあそんなことはほっといて!
「無理・・だよ!」
私は気が付いたらはっきりと断っていた。
「今まで兄弟みたいだったのに・・涼と恋愛なんて絶対無理!!!」
私は跳ねるように走っていった。涼が私を呼んでいるけれど、振り返らなかった。・・・あまりにもはずかしすぎて。
「うぅぅぅぅぅぅぅ・・・。あさって、どんな顔してアイツに会えばいいの・・?」
凛華はベットに顔を埋めた。パンテーンの花のシャンプーの匂いがした。いつもはこの香りをかいでいると落ち着くのに、今日だけは何の気休めにもならなかった。
ちらりと窓の外を見る。すぐ隣に、涼の家があった。そして、すぐ隣の部屋は涼の部屋。さっき部屋に入る音がしたから、中に涼がいるのだろう。絶対にあいたくなかった。
涼は幼稚園からずっと一緒だった。小学校も中学校もすべて同じで、クラスまでもがずっと一緒だった。ある意味、家族より一緒にいた時間が長いかもしれない。一番異性を感じさせない、身近にいる兄弟のようだった。
そんな・・なんで涼が私のこと好きなの!?
さっきからその質問が心の中で自問自答を繰り返していた。どう考えても思い当たる節がなかった。そして、どう考えても恋愛対象外で、友達以外考えられなかった。
いや、関係は友達以上恋人未満だった時もあった。一番近くにいたのだから、そういうことがあってもおかしくない。ただ、仲が良すぎてお互いの気持ちが分からなくなった。
仲が良いのに付き合ってないなんて、なんだか切ない関係だった。
「無理・・無理・・・・ぜーーーーーーッたい無理!」
凛華は一人で叫んでいた。今まで恋愛などしたことがない凛華にとって、恋は未知の世界だった。もちろん、今感じていたこのドキドキさえも。涼のことを考えてはドキドキし、また考えてはドキドキしを繰り返していた。
「絶対好きになんてなれない。絶対すきなんて思えない!」
凛華は一人で叫んでいた。そのうちに、寝てしまった。
2アイツ
「ピピピ、ピピピピ、ピーーーーーーーーーー」
目覚ましがなった。
「うーーーーーーーんうるさい!」
凛華はためらいなくそれを止めた。
凛華は、ずっと爆睡していた。涼に告白されてドキドキはしていたが・・・そこは凛華らしく、眠れない、なんてことは絶対になかった。どんな時でも爆睡するのが、凛華という人間であった。
「やべーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
しばらくしてから、凛華は跳ね起きた。ただいま七時四十五分。学校は八時から始まる。凛華の家から走って十分はかかる学校だったから、急いで準備して走った。
坂道に差し掛かった。誰かが前を歩いてた。
うちの学校か・・・。遅刻しそうなのは一緒ってか。
急いでいながら、凛華は冷静だった。前にいる人を追い越そうかと力を入れたとき、凛華はドキッとした。
りっか!
前にいたのは、りっかこと輝亜麻 葎夏(きあま りつか)だった。親友で、気が合うが・・・・ちょっと時間にルーズだった。こういうときにあうなんて・・・一番たちが悪い。きずかれたら遅刻は決まったものと覚悟しなければならない。ちょっと遠回りしていこうかと考えていた。
分かれ道が見えた。
いまだ!
急いで道に入ろうとした。でも、もう遅かった。ブラックアウト、だ。
「凛?」
りっかの能天気な声が聞こえた。もう終わった。遅刻してしまった・・・。
はあ・・とため息が出た。何で逃げてしまったか分からない。手すりに突っ伏してしまった。
あたしは廊下にいた。なぜか教室を飛び出してしまった。
ことの始まりは、さっき。
「おはようございまーす!!」
凛華は教室に駆け込んだ。三十分の遅刻。あの後、愚図るりっかを引きずって学校に走ったのだが・・やはり遅刻してしまった。普通なら、もう一時間目が始まっているはずなのだが、教室は騒がしかった。
「遅いよ、凛。おはよ」
同じクラスで親友のナッツーこと山川夏喜(やまかわ・なつき)が声をかけた。
「ごめんナッキー。・・なんで授業始まってないの・・?」
夏喜は呆れたように首をたれた。
「あんた、昨日先生の話聞いてなかったの?一時間目は自習だって言ってたじゃんか」
「ほんと!やりぃ!!」
あたしは勢いあまってつうくえにぶつかってしまった。
「あ、ごめ・・・!」
あたしは固まった。
涼!!!!
「キャーーーーーーーーー!!」
訳も分からず悲鳴を上げて逃げていってしまった。
そして今に至る。夏喜が追いかけてきた。
「ちょい凛。あんた涼くんと何があったのさ?なんで悲鳴上げて逃げていった?金曜日はあんなに屈託なかったのに。告白でもされたの?」
うっ・・・。図星だ・・。
「い・・いや~そんなことあるわけないじゃん!」
必死に隠せ!凛華!
「あんた、私の目を見ていえる?」
や・・や・・やめてくれ!これ以上追い詰めんなー!!
「あ、もう一時間目終わっちゃうよ!戻ろう!」
よし、これで安心だ!!全力で走れ!!
「図星か」
後ろからナッキーの声がした。
「何で分かったの!!??」
あ。
はめられた~~~~!!!!
ナッキーが笑い、私は仕方なくこの前のいきさつを説明した。うう・・ナッキー勘が鋭すぎるよ・・。
「で、あんたはどう思ってんの?」
「誰を?」
「鈍いね。涼君を、だよ!!」
「え・・どうって・・友達・・だよ?」
そのとき、心の奥がドキリとした。
「ふーーーーーん」
「なに・・その意味ありげな目は」
ちょっと怖い。何言い出すかわかんないし・・。
「さて、もどるか」
「え?」
そんだけ?
廊下を歩いている時、ナッキーは何も言わなかった。教室の前まで差し掛かった時、後ろを振り向いた。
「凛。あんた本当に鈍いね。」
ナッキーはにやりと笑った。
「え?どういうこと?」
「あんた、自分の気持ちに気づけよ」
え?えええええ?え?
頭の中は?マークでいっぱいだった。自分の気持ちにきずけって?なにに?
あたしは教室の前に立ち尽くした。やがて一時間目を終えるチャイムが鳴り、教室から顔なじみのクラスメイトが出てきた。
気づいてない?あたしが?なにに?
あたしはまた突っ伏してしまった。何を言われたかわかんなかった。
こんなことを聞かれて、まともに答えれる人なんていないだろうね。そんなこと承知で聞いているんだし。
今の世の中、友達であればたいていの人は付き合うだろうね。じゃあ、これはどう?
もし、振った人を好きになったら?
1犬猿の仲なのに!
「・・・は?もっかいいって」
土曜日の午後。私、榊 凛華は青空の下で素っ頓狂な声を出した。
「だから、俺と付き合って欲しい」
そういったのは、幼馴染で犬猿の仲の三笠 涼。
「それって、私のことすきってこと?」
ストレートに私は聞いた。
「・・・うん」
涼はぽつりと言った。
「え!」
私は気が動転してしまった。同時に、告白されたのか、とやっと気が付いた。反応が遅い。うううぅ・・。まあそんなことはほっといて!
「無理・・だよ!」
私は気が付いたらはっきりと断っていた。
「今まで兄弟みたいだったのに・・涼と恋愛なんて絶対無理!!!」
私は跳ねるように走っていった。涼が私を呼んでいるけれど、振り返らなかった。・・・あまりにもはずかしすぎて。
「うぅぅぅぅぅぅぅ・・・。あさって、どんな顔してアイツに会えばいいの・・?」
凛華はベットに顔を埋めた。パンテーンの花のシャンプーの匂いがした。いつもはこの香りをかいでいると落ち着くのに、今日だけは何の気休めにもならなかった。
ちらりと窓の外を見る。すぐ隣に、涼の家があった。そして、すぐ隣の部屋は涼の部屋。さっき部屋に入る音がしたから、中に涼がいるのだろう。絶対にあいたくなかった。
涼は幼稚園からずっと一緒だった。小学校も中学校もすべて同じで、クラスまでもがずっと一緒だった。ある意味、家族より一緒にいた時間が長いかもしれない。一番異性を感じさせない、身近にいる兄弟のようだった。
そんな・・なんで涼が私のこと好きなの!?
さっきからその質問が心の中で自問自答を繰り返していた。どう考えても思い当たる節がなかった。そして、どう考えても恋愛対象外で、友達以外考えられなかった。
いや、関係は友達以上恋人未満だった時もあった。一番近くにいたのだから、そういうことがあってもおかしくない。ただ、仲が良すぎてお互いの気持ちが分からなくなった。
仲が良いのに付き合ってないなんて、なんだか切ない関係だった。
「無理・・無理・・・・ぜーーーーーーッたい無理!」
凛華は一人で叫んでいた。今まで恋愛などしたことがない凛華にとって、恋は未知の世界だった。もちろん、今感じていたこのドキドキさえも。涼のことを考えてはドキドキし、また考えてはドキドキしを繰り返していた。
「絶対好きになんてなれない。絶対すきなんて思えない!」
凛華は一人で叫んでいた。そのうちに、寝てしまった。
2アイツ
「ピピピ、ピピピピ、ピーーーーーーーーーー」
目覚ましがなった。
「うーーーーーーーんうるさい!」
凛華はためらいなくそれを止めた。
凛華は、ずっと爆睡していた。涼に告白されてドキドキはしていたが・・・そこは凛華らしく、眠れない、なんてことは絶対になかった。どんな時でも爆睡するのが、凛華という人間であった。
「やべーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
しばらくしてから、凛華は跳ね起きた。ただいま七時四十五分。学校は八時から始まる。凛華の家から走って十分はかかる学校だったから、急いで準備して走った。
坂道に差し掛かった。誰かが前を歩いてた。
うちの学校か・・・。遅刻しそうなのは一緒ってか。
急いでいながら、凛華は冷静だった。前にいる人を追い越そうかと力を入れたとき、凛華はドキッとした。
りっか!
前にいたのは、りっかこと輝亜麻 葎夏(きあま りつか)だった。親友で、気が合うが・・・・ちょっと時間にルーズだった。こういうときにあうなんて・・・一番たちが悪い。きずかれたら遅刻は決まったものと覚悟しなければならない。ちょっと遠回りしていこうかと考えていた。
分かれ道が見えた。
いまだ!
急いで道に入ろうとした。でも、もう遅かった。ブラックアウト、だ。
「凛?」
りっかの能天気な声が聞こえた。もう終わった。遅刻してしまった・・・。
はあ・・とため息が出た。何で逃げてしまったか分からない。手すりに突っ伏してしまった。
あたしは廊下にいた。なぜか教室を飛び出してしまった。
ことの始まりは、さっき。
「おはようございまーす!!」
凛華は教室に駆け込んだ。三十分の遅刻。あの後、愚図るりっかを引きずって学校に走ったのだが・・やはり遅刻してしまった。普通なら、もう一時間目が始まっているはずなのだが、教室は騒がしかった。
「遅いよ、凛。おはよ」
同じクラスで親友のナッツーこと山川夏喜(やまかわ・なつき)が声をかけた。
「ごめんナッキー。・・なんで授業始まってないの・・?」
夏喜は呆れたように首をたれた。
「あんた、昨日先生の話聞いてなかったの?一時間目は自習だって言ってたじゃんか」
「ほんと!やりぃ!!」
あたしは勢いあまってつうくえにぶつかってしまった。
「あ、ごめ・・・!」
あたしは固まった。
涼!!!!
「キャーーーーーーーーー!!」
訳も分からず悲鳴を上げて逃げていってしまった。
そして今に至る。夏喜が追いかけてきた。
「ちょい凛。あんた涼くんと何があったのさ?なんで悲鳴上げて逃げていった?金曜日はあんなに屈託なかったのに。告白でもされたの?」
うっ・・・。図星だ・・。
「い・・いや~そんなことあるわけないじゃん!」
必死に隠せ!凛華!
「あんた、私の目を見ていえる?」
や・・や・・やめてくれ!これ以上追い詰めんなー!!
「あ、もう一時間目終わっちゃうよ!戻ろう!」
よし、これで安心だ!!全力で走れ!!
「図星か」
後ろからナッキーの声がした。
「何で分かったの!!??」
あ。
はめられた~~~~!!!!
ナッキーが笑い、私は仕方なくこの前のいきさつを説明した。うう・・ナッキー勘が鋭すぎるよ・・。
「で、あんたはどう思ってんの?」
「誰を?」
「鈍いね。涼君を、だよ!!」
「え・・どうって・・友達・・だよ?」
そのとき、心の奥がドキリとした。
「ふーーーーーん」
「なに・・その意味ありげな目は」
ちょっと怖い。何言い出すかわかんないし・・。
「さて、もどるか」
「え?」
そんだけ?
廊下を歩いている時、ナッキーは何も言わなかった。教室の前まで差し掛かった時、後ろを振り向いた。
「凛。あんた本当に鈍いね。」
ナッキーはにやりと笑った。
「え?どういうこと?」
「あんた、自分の気持ちに気づけよ」
え?えええええ?え?
頭の中は?マークでいっぱいだった。自分の気持ちにきずけって?なにに?
あたしは教室の前に立ち尽くした。やがて一時間目を終えるチャイムが鳴り、教室から顔なじみのクラスメイトが出てきた。
気づいてない?あたしが?なにに?
あたしはまた突っ伏してしまった。何を言われたかわかんなかった。