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Search Me! ~Early days~

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鳴り響いたコール音を天の助けとばかりに受話器に飛びつくと、打って変わった明るい声で応対を始めた。その姿をぼんやり見ていると、妙な視線を感じ、振り返った。

「…ふーんー。」
「何だ。」
「べーつにー。」
「うーん…」

そこには、いつもと同じくよくわからない笑みを浮かべた秀平がいた。対照的に時生の方は少し複雑な表情だ。

「…一体何だ。」
「いやなあ、京介がそこまで、なあ…」
「?」
「今までにーないこーとだからねー。」
「何が言いたい。」
「ぶっちゃけさ、猫の探索ん時何があったんだよ。」
「…何も。」
「だってー、あれから祭くん、京介のことあんまりビビんなくなったじゃなーいー?」
「……そうか?」

指摘されてみて思い返すが、あまり変化したようには感じない、いや、そうでもないのか。どっちだ。

「で、何があったんだよ!」
「何したのかなー。」

だから何とは何のことだ、と言いかけてふと思い出す。

「…にゃあ?」
「は!?」
「いや、…別に。」

結局、あの時の妙な感じは何だったのか未だにハッキリしない。が、別に行動と思考に支障はないようなので放置している。

―ガチャン…

丁度その時、受話器が置かれる音が耳に入り、3人がほぼ同時に振り返る。そこには、何とも言えない表情で祭が唸っていた。

「うー…」
「…どうし」
「どしたんだ祭?」
「依頼ー?クレームー?イタ電ー?振り込めない詐欺ー?」
「いえあ、その…一応依頼…か、なあ。」
「マジ!?どんな!?」

身を乗り出すようなテンションで聞いた時生に、祭は非常に言いにくそうに視線を彷徨わせる。

「あの、谷川さんから、なんすけど、」
「谷川さん?」
「子猫の里親探しを依頼するって。」
「「……」」










作品名:Search Me! ~Early days~ 作家名:jing