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仮面ブライダー

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 光治の部屋には悪趣味なボンテージレザーが二着、白衣が1着ハンガーにかけられていた。
大三朗はなぜかそこにいた二人とその家主である光治にとまどいながらも挨拶をし、自分の財布で近くの酒屋でビールを買ってきて、飲み明かした。
現在家が無い大三朗は光治の家で生活することになった。
光治の家の玄関にはやはり、戦車の上には白バイが乗っており、チェーンがさびさびで漕ぐとシャリシャリ言う自転車がおいてある。
大三朗は光治が何ものかうかがい知れず得体の知れぬ恐怖を持っていたが、とりあえず明日は職安にいくらしい。
内科の学士号を持つ大三郎ではあるが、この不景気はそんな資格すらも無残に跳ね除けていく。

光治、久志、大三郎は3人揃って職安に向かう。そして今日のスタッフは残念なことに新米であった。そのため、求人票を渡して応募すると話しても、連絡先ではなく、本社に電話をする始末でしかも、
「すんません、あのー応募したいんすけど・・・ほら、バイトっすね。あ、オレは飯田って言うんすよ。面接はいつっすかぁ?」
という始末で、紹介のしかたを知らないらしい。
この3人の壮年期は大変黄昏た壮年期になるであろう。




 6、イカれる狂戦士

ブライダーズは現在三人。皆が皆就職難に苦しんでいる。
さて、就職難に苦しんでいる者とは必ずしも彼らだけではない。外国から日本の魅力を満喫するために日本に帰国した男、名前はマーティ。趣味はベースボール。
彼はもともと教員であったが、とある事情で解雇処分を受けた。以来職安に通い詰めている。光治ら三人が居合わせた職安では今日も数多の求職者が地獄絵図を描いている。マーティも何度もこの場所に来ては地獄絵図の仲間になっている。
整理券を握りしめて待つと壮年期の男性に酒臭い声をかけられた。
「日本はいかがですか?生活が困難でやはり、ふるさとがいいでしょう?」
声の主は久志である。光治、大三郎はこのやりとりに涙すら浮かべていた。
マーティはこの日、何件か応募した。担当の飯田がすべて電話をかけたが、結果は全滅だった。帰路につくと、街では最近話題の変態が今日も暴れまわっているらしい。三人のブラジャーをかぶった変態が、爆風スランプのランナーを叫びながら本当に走り回っていた。しかも両腕を天高くかざしながらであるが、くたびれないのだろうか?三人の変態…いや、ブライダーはおもむろにポーチから肌色でやけにゴツゴツしたブラジャーを取り出した。
「なんだこれは?」
「気持ち悪い」
「一応ブラジャーなのか?」
などとしばらく話し合って、マーティの方をチラリととみると投げつけてきた。
「OUT!」




マーティの顔面にクリーンヒットしてしまった。マーティの全身が光に包まれる。
白いパンツに肌色のブラジャーをかぶり、赤いベルトをつけている。仮面ブライダーブラウンの誕生である。
とうとうブライダーは4人にもなってしまった…。4人で大声をあげて、万歳をしながら、ひたすら走り回っている。
「ハッシッルーハッシッルー!おれぇ〜たーちいい〜ラララ〜……ハッシッルー!ハッシッルー…」
いつも通りに児童ポルノ法粛正委員会所属部隊が襲いかかってきた。
そしてブラウンはとこから取り出したか、白くて五角形の板をボンボン投げつけていく。
時々一枚を地面に置いて、埋めたりもする。さらには上に靴を揃えて置くなど、戦っていないときもある。
かくして、4人のブライダーによって、戦いは一方的に終わった。
この日、マーティは久志達の好意で光治の家に呼ばれた。ニュースをつけて4人でボソボソと焼酎、大五郎を飲んでいる。
ニュースでは、
「本日未明、4人目の不審者、通称ブラジャー男が現れました。そこかしこで叫びながら走り回り、捕まえようとしましたが返り討ちにあい……」

4人は不景気や就職難に加えてこんなにまで乱れた世の中を酔いながらも憂いだ。
今夜は渋くてやや長い夜になりそうだ。年末までもう50日たらずである。







7、林と飯田

突然だが、本日のブライダーは救済…じゃなかった。休載する。
うそぴょ〜ん。
コホン…失敬。

光治、久志、大三郎、マーティは揃って職安に赴いた。担当は飯田の他にもう一人いるようだ。名札には林と書いてありかなり年配の男だ。
求人票の閲覧は順番待ちなので、整理券をもらう。4人に対応したのは林だった。
「…………………………………え、閲覧ですか?」
言いながら整理券を4人に手渡した。
「お待ちください↑」
還暦を過ぎていそうなわりにはずいぶんヘラヘラしている。

4人は順番に求人票を閲覧し、思い思いに探していく。
マーティは飯田が担当した。
「どもー。ハロワーの飯田ってんだけどー、おたくさんに応募したいってオッサンがいんのね?面接いいっすかぁ?」
こんな調子でマーティが見つけ出した企業のすべてに電話して、すべて断られた。
マーティはこれを見て、ポケットに何かを見つけて取りだし、飯田に投げつけた。

同じころ、久志を林が担当しており、林が応募の電話を取る。
「はい、△会直参○×組、採用総長小田です。」
「………………………………。…………………もしもし!?ハローワークの林と申しますー↑ど〜もど〜も。あのですねー一人紹介したい人がおりまして〜↑よろしいでしょうか〜?」
久志もまた、求人票を100枚プリントアウトしたのに全滅した。
こんな調子で光治も大三郎も全滅してしまい、7時間かかったハローワークな作業も徒労に終わった。
「…………………………い、飯田くん?」
萌えないでいただきたい。はにかんでもいない。
先ほどからのこのセリフは林のセリフである。還暦である。オッサンである。書いてる筆者も気持ち悪い!
コホン。さて、なにを話すかと言うと、
「ちょっと〜〜話し方が君の場合丁寧じゃないから〜〜…もっと丁寧に言いましょう!」
飯田は言い返す。
「いや、林さんこそ肩ポンポンのあとのブランクヤバくないっすかー?アポ取れてないし〜?」
アポが取れないのは飯田も同様である。
このタイミングで林が殴りかかった。飯田が応じる。

いつもの景色なのでスタッフはなんでもない顔をしているが、利用者は驚く。
驚いた中にはあの4人も含まれていた。
4人は驚きの余り、無意識にポケットに手を突っ込み、何かを探り当てて目に充てた。

仮面ブライダー、ブラック、ブルー、レッド、ブラウンの登場である。
職安で暴れまわって、飯田と林をブラジャーでがんじがらめにした後、おもむろに求人票を適当に持ち出して、飛び出した。
一台のバイクに4人のブラジャーをかぶったパンツ一丁のオッサン。…筆者は頭痛がしてきたよ?
「酒が飲める飲めるぞ〜酒が飲めるぞ〜♪」
と大合唱しながらの4ケツである。加齢臭とかヤバくないっすか?



光治の家には4人が集まり飲んでいた。カバンを振り回しながら踊っていると、紙がドサッと出てきた。求人票である。

ありがたやありがたやとすべての求人票に電話をかけたが、全滅した。
「何をご覧になりましたか?」
「よくわからんけど求人票です。求人番号は…」
「すみません。職安スタッフで無い方の応募は…」
作品名:仮面ブライダー 作家名:peacementhol