文芸部での活動まとめ
「じゃあ最後に一人一本ずつやって終わるか。そろそろ母さんがスイカ切ってるころだろうし」
「そうね、これで終わりにしましょう」
三人がそろぞれの花火を手に取る。
「じゃあ同時につけようぜ」
「あ、危なくない?」
「向きさえ気をつけりゃ大丈夫だって」
「じゃあ行くよ? いっせーのーで」
三人で蝋燭の炎の中に花火を入れる。少しのタイムラグはあるもののほぼ同時に三人の花火に火が点いた。
花火は光りを散らし燃え続ける。
「これで今年の夏も終わるな」
燃え続けた花火はしだいに手元の方へ上っていく。もちろんそれが手まで届くことはない。
「……うん、終わる」
「で、秋になるんだなよな。秋っていややっぱ山菜狩り大会だよな」
「一樹は食べてばっかだけどね」
「育ち盛りなんだよっ!」
一樹は笑って言う。
「正月はまたみんなでいろいろ遊んでさ、春になってらみんなで卒業して……」
そこまで言ったところで健太は少し俯く。
「また夏になってみんなで夏祭りに会えるといいよね」
そう言ったのは小春だった。一樹と健太は少し驚いたような顔をして小春を見つめる。
「そうだな……また、来年の夏に」
みんなで、楽しい夏祭りを。
end
作品名:文芸部での活動まとめ 作家名:悠蓮