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風はつめたいけどあたたかい春。

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・・・・・・違うんじゃないかな。
「僕は異性愛者だし、ビアンの大江さんとかバイセクシュアルの名塚さんの気持ちは分からないよ。でもさ、人の恋路を邪魔するっていうのはダメだと思う・・・・・・よ」
僕は思った事をストレートに話した。
どういう状況であれ、人の恋路を邪魔するのはよくない。それは双方の人生を狂わすような気がするから。
「そうだよね・・・・・・。でも私、やっぱり名塚さんを嫌いになれないよ。うん」
大江さんは横で目を閉じて言った。
「僕も恋ぐらいは経験したことがあるから分かるよ。僕が高校生の時に好きだった子がいて、気付いたらその人には彼氏がいて二人はとても幸せそうだった。僕はその時悲しみを覚えたけど彼女に幸せでいてほしい、心からそう思えたんだ。今の大江さんもそうなんだろうね。心から好きな名塚さんが離れていってしまう。それがたまらなく嫌なんだけど、幸せになって欲しいっていう矛盾した二つの気持ちがあるんじゃないかな。その気持ち分かるよ。・・・・・・勝手な口きいてごめん。今のは無視していいよ」
僕がそう言うと大江さんは再び口を開いた。
話してくれたのは名塚さんとのサークルでの出会い、遊園地で遊んだこと、単位を落とすまいとお互い必死に勉強したこと、・・・・・・色々話してくれた。
その時の大江さんの表情は明るかった。