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こがみ ももか
こがみ ももか
novelistID. 2182
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愛と引きこもり

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最近、一人になるとそういうことばっか考えてる。好きすぎるってのもなかなか、問題だなあ。
「今度こそがんばるぞお!」
頭をぶんぶん振って、邪念を追い払う。ななみちゃんが帰ってきて、原稿終わってなかったら「一番に読めると思ったのに」ってがっかりさせてしまう。ななみちゃんはけっこう、「一番に読む」ってのにこだわってて、俺もななみちゃんに読ましてあげたいって一新でこのごろくじけずに書けるようになった気がする。
人間らしい生活してるのも、原稿が終わるのもみんなななみちゃんのおかげ。依存しまくりだけど、俺はこれでいいんだ。
ほかの人には興味ないし。

目が覚めたときには、窓の外が明るかった。あのあと無事に書き終えて、仮眠に入った。けど、仮眠のつもりが時計を見ると午後三時半。
もう帰ってきたかな。起こされなかったらから、気をつかてくれたのかも。寝ぼけ眼で部屋じゅうを見渡しても、人気はない。
――バイトがあって帰るのは明日のお昼前になるんで。
一瞬でまどろみが吹っ飛んだ。ななみちゃんは嘘なんかつかない子だ。お昼過ぎても家に帰ってないなんて、なんかあったとしか思えない。今までだって、何時に帰ってくるって言うときは必ずその時間にはただいまって玄関から声がする。俺が寝てると、起こさないようにって傍に座って本読んだりしてる。
なのに今日はいない。お疲れさまですって笑いかけてくれるはずのななみちゃんがいない。
すっ飛び起きて、宝の持ち腐れ状態の携帯を確認した。でも、連絡はなし。電話をかけ、留守番電話サービスに繋がれるまでコールを粘っても、ななみちゃんは電話に出てくれない。
――どこにいるの? いつ帰ってくる?
必死でメールを送った。十分待ち、二十分待ったけどななみちゃんから返事がない。
ななみちゃん、どうしたの。どこにいるのどうして帰ってきてくれないの寂しいよう嫌だよう。
ななみちゃんが出かける前、わがまま言ったのがいけなかったのかなあ。また呆れてて、かわいいなあとか呑気に思ってた。もうああいう子どもっぽいことして一年以上になるけど、いつまで経ってもかわいいと思う。よくこんなでっかい駄々っ子に付き合ってくれるなとか。よく愛想つかされないなとか。
「……あ……ああ!」
作品名:愛と引きこもり 作家名:こがみ ももか