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無敵最強絶対不敗伝説

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演説が終わり、軍隊が国境に詰め掛けた。いくら士気を高めるとはいえ、ヤヘイは演説で言うほど簡単に倒せる相手ではない。兵士一人一人が諸国の将校並みに力がある。
こんなときこそリナあたりにいて欲しいが、リナは今もどこかで修行に明け暮れている。せめてグレンが生きていてくれればこの戦いも少しは楽になるだろう。
「中将殿、お喜びください。オーシャンとマウントの伝説の勇者が志願兵として応募してきました。」
オカダは耳を疑った。一人は間違いなくリナだ。もう一人はそのリナと互角にやりあうが、マウントの勇者である。自分たちに味方するとはどういうことか。だが、強力な戦力に変わりないので、オカダは二人を呼んだ。
「オカダ中将殿、リナはただ今戻りました。戦友としてマウント国が英雄ルナ、を同伴いたします。わたしたち二人を存分にお使いください。」
リナはいつの間にか、公共の場では家族同然の間柄でも敬称を使う場合があることを覚えていたようだ。
だが、この後にらみ合いが二年間続くことになる。

この二年のうちに、リナ、ルナの両者は、新島、小島、稲田、藤田、寺島を招集した。これだけでリナ達は50万人もの大軍を擁している。そして、総兵力500万とも言われる中島一家をも掌中に収めていた。
中島は事務所やダミーの本拠を多数構えており、なかなか中島本人にたどり着けなかったが、中島の拠点数千箇所のうち100箇所を蒸発させたところで、中島の方から何でも言うことを聞くからやめてくれという降服要請が入ったため、リナルナは合計550万の兵力を保有し、全員に堅気をするように命じた。
二人が創始者の組織、仁義商会連合がここに発足していた。
オカダはそのあいだも、一切気を抜かない。国境の向こうに常に偵察をおき、のろしを上げてはそののろしをみた中継の偵察がまたのろしを上げるというシステムで見張っていた。オカダ自身は古典の兵法を学んだのはいいが、いまいち現代人になりきれていない節があった。なので、トナリの部屋にいるリナを呼ぶ際は、携帯電話を使ったりする。
携帯電話を耳に当てながら部屋に入ってきたリナはついに言い放った。
「となりのボクたちに携帯電話するくらいなら、偵察の人たちに持たせたらいいのに!」
オカダはこれはしたりという面持ちで、前線の偵察に携帯電話を使わせることに・・・もとい、自分の番号を届けるように命じた。

スカイヤ軍は3万、ヤヘイは当初5000人の兵力だったが、リナが戦力強化をしている間、ヤヘイも大幅に兵力を増していた。

ヤヘイの小学校さえも学徒動員して総力は2万に膨らんだ。闘技場に所属するエリート達をさらに加えてそのファンもついてくるので5万を越えた。ヤヘイは学徒動員までしているが、あくまでも学生には社会見学という方式で一切強要はしていない。物好きな学生達が志願しているだけである。

スカイヤは徴兵制度で3万、ヤヘイは単なる物好きだけで5万。質が高いヤヘイのほうが数で上回っていてもスカイヤになかなか踏み込めないのはやはりリナが集めてきた550万人である。百人力を誇るヤヘイにしてみれば、スカイヤは当初一人が6人以上倒せば勝てる戦いが2年もにらみ合って、一人のノルマが100人という形になった。しかし、黄色眼にびびらない中学生が当たり前のヤヘイからしてみれば、まだまだ互角の領域である。


スカイヤ側はというと、学徒動員を真剣に考えていた。実際どこの学校でも一部の生徒が決起している。
「敵国ヤヘイの学生はぁっ!僕たちのように安穏と教科書を見てはいません!僕たちのように!教室で夢を語ることもありません!!生れ落ちるとともに強いこぶしを育て上げ、小学生ですら、軍隊を編成して戦っています!!僕たち栄誉あるスカイヤは彼らに劣るでしょうか!?否っ!!!僕たちは拳の力を対等に学問において彼らに圧倒しています!僕たちが立ち上がること、それはスカイヤの1000年の覇権を保障することです!!諸君らにこれがわからない凡人はいないはずだ!!」
丸坊主の青年がボロボロになったメモを片手に、時折視線を落としながら、熱狂してるのかヤケクソなのかいまいちわからない演説を行っている。なぜか、教師達は涙ながらに拍手を喝采している。スカイヤは現在、ある意味病んでいる国である。
これらに触発されたのか、スカイヤは学生志願兵が1万人を越えた。これならば戦力になるであろう。
これにてスカイヤは554万である。ヤヘイは相変わらずアルバイトの募集でもしているかのような考えだが、国民に向かってちょっときついから時給をはずむようなことをテレビで宣伝、現行の兵士にも、日当を800円引き上げるなどした結果いきなり10万の大群が出来上がった。ヤヘイで志願しない人たちの言い分はこうだ。
「軍隊は訓練の時間が短く、戦場では情けない人種を相手にする。どこまでも退屈な仕事」
軍隊である以上、兵士の士気と体調管理はぬかることはできない。そのため既定はある。
それでも8時間以上を訓練か任務にあてている。しかしヤヘイの住民はそんなものではない。


なんの変哲も無い老人が町中を走り回って一日がスタートする。朝の5時には町中がジョギング大会になっている。7時ごろには、各コンビニが無料でプロテインを配る。
8時には全員が学校なり職場なりに行くが、どこの職場でも、鉛を仕込んだペンやリュックなどを使っているし、デスクワークの人たちはOLまでもが、1時間ごとにベンチプレス500回というとんでもない国である。
なるほど、そんじょそこらの軍隊でもありえないような生活を住民達が勝手にやっているのだ。
ヤヘイはさらに招集をかけた。自給にして1500円にまで引き上げた。すると志願兵が殺到した。
面接では誰もが自主トレーニングの許可を要求する。現在ヤヘイの兵力は30万に膨らんだ。


今回の戦争は情報と兵力の戦いである。どちらもあまり頭がよくないため、力と力、数と数の戦いである。
だが、ことごとく空気を読まない二人の少女がいる。いや、もう少女ではないが、相変わらずカレーで目を輝かせたり、スパゲティを食べるときうっかり巻き付けすぎて大口を開けるといった幼い戦士である。
そう、リナとルナだ。単純に仁義商会連合、略称仁商連を作る野望のために各国を漫遊しているだけにすぎない。唯一チボーンにだけは一度も足を踏み入れていない。チボーンは科学都市なので傘下にできるような組織が無い。山賊がいたところで何を盗めばいいかわからない。なので、平和なのだ。

さて、リナとルナはいつもどおりにスカイヤ会議を抜け出して出かけた。目指すは、ヤヘイである。

ヤヘイの兵士達が一糸乱れぬ動きで腕立て伏せをしているところに二人は突っ込んだ。
ヤヘイ最強は伊達ではない。リナやルナの剣を白刃取りしたり、拳で峰を弾くなど確かに戦闘力が高い。
リナとルナは黄色眼に殺気と闘気を上乗せして暴れた。
黄色眼の能力で、剣筋が見えない。リナやルナが一回突きを放ったと見えると、20箇所以上がすでに刺されている。ヤヘイの実力者達も歯が立たない。
作品名:無敵最強絶対不敗伝説 作家名:peacementhol