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無敵最強絶対不敗伝説

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水色の白い影絵をちりばめてある。それは懐かしきスカイヤの国を思い出させるものであった。自分たちで破壊した部分も修理し、リフォームした船で、リナ、ルナは500人の海賊を率いて、ヤヘイに向かった。

ヤヘイにつくと、町行く人は全員すらっとしていたり、筋肉質だったりする。それでいて、武器を持つひとは余り少ない。宿に行くと即座に
「おや、どこから来たんだい?立派な剣を見ればわかるよ。」
このヤヘイでは、格闘術が至上とされており、武器といえば、せいぜいトンファーやヌンチャクといったものになる。
「この国って学校でも武器を教えてたりして・・・」
ルナの冗談めいた言葉に宿主は
「まぁ、他の国と変わらないさ。体育系の授業が多いけどね。あと、空手の授業と、武具の授業は体育とは別枠だよ。この国では格闘技が常識なんだ。」
とんだ野蛮の王国・・・いや共和国である。この国の当主はボディビル選手権に優勝したことがあるらしい。一ついえるのは、この国はそんなに頭のいいヤツはいないのだろう・・・。

闘技場に行くと、夏のヤヘイ園なる学校別対抗の団体戦をやっていたので、観戦することにした。
胴衣を着た学生が、素手で戦っている。
徒手空拳の戦いはリナもルナも得意だが、なるほど脳みそまで筋肉な国だけあって、学生でもレベルの高い戦いをする。リナとルナは、イタズラを思いついた。

「ボクは右の体格のいいほうで、ルナはもう片方。黄色眼をぶつけたらどうなるかな」
リナはワクワクしながら言う。
「黄色眼はひるむ・・・だからそんなに面白くないわね。せめて赤目が使えれば面白いんだろうけど。」
この二人のせいでうっかり世界が滅んでしまうかもしれない。だが、二人は、とうとうイタズラを始めてしまった。二人で思い思いに目標に黄色眼を向けた。だが、二人の学生は動きが鈍ることなくスッと距離を開けて、こちらを睨み返してきた。
「そこの黄色眼!邪魔だ!」
堂々と言い返してくるのだから、リナ達は驚く。彼らのカリキュラムには黄色眼対策でもあるのか。
毎日教官の黄色眼に耐える修行からスタートする学生達に対して黄色眼はそんなに意味はないらしい。

学生達はお返しとばかりに、トレーニングで身につく能力の覇気と殺気を二人にぶつけた。
応援する学生達も一緒になって、やるから、二人は黄色眼でもそれなりにビリビリする。

ヤヘイの格闘集団が世界最強と言われるのは、学生でもすでに黄色眼に臆さないところにあるようだ。
リナとルナはこのままでは、腰を抜かしてしまうので、海のリナ、山のルナとして威厳を見せるために、覇気と殺気とを送り返した。さすがに学生達も同じ能力に黄色眼を上乗せされてはおとなしくせざるを得ない。勇気ある一人の学生が二人のところに来て言う。
「僕らの大事な試合です。邪魔はしないでください。いくら、オーシャンとマウントの勇者でも僕達全員を相手にすればただではすみませんよ。」
ヤヘイはなかなかどうして侮れない国である。

ポップコーンを片手に二人は午後の部も見物することにした。
今度は武器を使った試合をやるらしい。ゴングが鳴り響く。
棍と三節棍の試合だ。棍の使い手は棍の長さに関係なく、腹のあたりから端のほうまで使って奔放に戦う。対する三節棍は、そのしなりを利用してスピーディーに打撃を加えていく。
リナやルナの剣の速度とは程遠いながらも激しい打ち合いをしている。
時折見せる、体術にもキレがある。おもしろそうなので、
二人は自由参加の会場に足を運び、出場してみることにした。
ヤヘイ闘技場はいくつかのフロアに別れていて、それぞれで毎日、常になんらかの試合が行われている。注目なのは、夜間に高いレートで予想まで行う、ノンレフェリーマッチ。

つまり反則がなく、どちらかが、相手を倒したと判断するまで戦う危険な試合だ。
ノンレフェリーと言っても、リングの袖にはちゃんと審判がいて、危険を判断すればすぐに止めに入る。
このヤヘイでは、審判までボディビルのような体格をしている。
リナ達が出るのは当然、この一番危険なノンレフェリーマッチ。武器屋で棍を買って剣のように使うことにした。 
タッグマッチの第一試合。鎖鎌と、先端が鋭く尖っている棍のコンビである。どちらもその気になれば命を奪うほど危険な武器であるが、二人は動じない。ゴングが鳴ると、二人して襲ってくる。
襲い掛かる二人が見たのは、いたずらっぽく笑う、生意気な黄色眼の少女がパッと消えてしまうところだった。もう一人の少女は、呆れたように構えることすらしない。だが、後ろから
「ボクをしっかり見ないとだめだよ。」
という声が聞こえて目の前が真っ暗になった。あきれている少女にお互いの武器を繰り出すことすらかなわなかった。
一回戦勝利のお祝いが5万円なので、5万円を受け取る。2回戦出場には、5万円払う必要がある。
勝てば収入で負ければ0円が、この大会のルールである。リナ、ルナは5万円を出して二回戦に行くことにした。
「さぁ、今夜はかわいらしいガールコンビの快進撃!一回戦から優勝候補の、雲海、南啓のウンナンコンビを撃破!2回戦は、去年の王者コンビ、龍栄とトラカゲだぁ!」
野蛮なアナウンスで会場はお祭り気分だ。
「おまえ達か。戦争をだめにしたというのは。」
龍栄が言う。ヤヘイでは、二人の少女が戦争を鎮めたということしか伝わっていないので、具体的な恐ろしさが伝わっていない。ゴングが鳴った。
両手にヌンチャクを構えた龍栄が目にも止まらぬ速さで、猛攻撃をルナにけしかけた。
なるほど、そのへんの山賊達よりは幾分マシではあるが、ルナにはそれも止まって見える。
スッと右手を伸ばして、ヌンチャクを捕まえて、その柄で、もう片方のヌンチャクを弾く。
3発のすばやい蹴りで、龍栄はあっさり倒れてしまった。
そのころ、トンファーのトラカゲは、全身青あざにして、リナの足元に転がっていた。
2回戦目もみもふたも無い勝負であった。
2回戦の賞金は15万円である。だが、なまりを解消した二人はこれで打ち止めにした。

結局黄色眼すら使えない中での戦いは退屈であった。酒場で餃子をひたすら食べるリナの耳に話が聞こえた。
「今度のヤヘイの戦争はスカイヤを取りに行くってな。スカイヤが取れれば、他の3国なんてちょろいもんだぜ。」
また、戦争がおきるらしい。スカイヤにはオカダやゲンライがいる。リナはルナと旅をしている手前、スカイヤを手伝いたいが・・・。
「スカイヤのお父さんが心配なんでしょ?行きましょう。私も手伝うから。」
ルナの申し出はリナにはありがたいものであった。急いで船に戻ってスカイヤへと向かった。

 一方スカイヤでは。
「ヤヘイの筋肉だるまどもが、わが国に押し入ろうという!我らは見くびられているのだ。力だけしかないゴリラ種族など、人間たる我らには程遠い下等な存在であるっ!必ずや目にものを見せん!!」
スカイヤの中将が演説する。この中将とは、オカダである。オカダはリナを送り出して間もなく、強大なリナの育ての親としての功績で勝手に中将にされてしまったのだ。
作品名:無敵最強絶対不敗伝説 作家名:peacementhol