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無敵最強絶対不敗伝説

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「アイラ、今日こそは普通の槍を使ってもらうよ。腕試しで、真剣勝負じゃないんだ。練習試合なのだから、負けてもいいのだから。」
師範がなんとかさとしてアイラに言う。
アイラはしぶしぶ普通の練習用の槍を使う。
なるほど拒むわけだ。細い木の枝でもふりまわすように、軽々と扱う。
間合いも大きな槍で慣れ切っているためにいまいち踏み込みなどが浅くなる。
それでも、持ち前のセンスでいい試合をする。

結局アイラは道場内で負ける事は無かった。
アイラは軽い槍を使って一つの技を考え出した。隙を見たらばそこに何発もの突きを繰り出し、敵を圧倒していく。
師範に相手をするよう申し入れ、その技を披露した。師範でも裁ききれない。実に軽快な技である。アイラは12歳で恐るべき技を身に着けた。
だがアイラの快挙はこれにとどまらない。
今度は槍を回転し、風圧を渦巻いて竜巻を作った。これは重いほうの槍で使うと危険だ。師範に披露した際、きつく止められた。

 13歳になったある日、スカイヤ国に改め、スカイヤ地方では、武術大会が開かれることになった。スカイヤ闘技会学生の部である。少年の部を受けたものの、極端に強いあまり、16歳以上の青年の部にうつった。


「アイラ、竜巻と無限突きは禁止だよ。絶対に使ってはいけない。あと、重い槍も禁止。青年の部でお兄さん達だけど・・・。」
アイラは別に問題にしていない。軽い槍でも、普通に戦っても十分に戦える。
さて、試合を開始したが、青年達の大きめの槍による攻撃も簡単にさばいて、まともに構えることすらせずに、あしらって言ってしまう。決勝戦ではわざわざ槍を短くしてしり持ちを突いた相手に手を差し伸べ三度も仕切り直しをすることで勝機をゆずったが、とうとう青年は降参してしまった。観戦者達もそれを見ており、感嘆の声をあげるばかりだ。
午後からの大人の部に飛び入りで参加することが決定した。どうせ、先端がゴムの練習用の槍なので問題は無い。
大人の部では、師範も出場する。アイラは言いつけを守らないことにした。


父の大きな槍の穂先をしっかりとカバーして、殺傷力を皆無にし、全ての奥義を持ち出して戦うことにした。一回戦目はその師範とあたる。
「アイラ、いくらそんなことをしても、あなたがを持てば勝負にならないのです……」
師範の狙いは、槍の正しい裁き方である。
長くて有利でも、扱いが難しい槍はできるだけ正しいフォームで扱うべきである。それを教えたいがための禁止令である。
「これ以上の上がないなら、わたしはめいっぱいやりたいです。」
アイラのいい分である。アイラはなんとなく6種類の戦う気分を練りこんでみた。
師範の全身が視界いっぱいに見える。今、後ろの方の観客が、自分を見た事を感じた。
師範はこれに対し、異常な恐ろしさを全身でうけていた。わずか13歳の子供が恐ろしく見える。

まるで、弱い自分が強いものに肩をつかまれて抵抗する気力を失せてしまうかのような感覚である。これがアイラの本気だとすれば、いままでの訓練はなんだったのだろうか?一切の恐怖感も無く、ただ優秀な槍使いとして、巨大な槍で無双に強いというだけのアイラはどこにいったのか?
無常にゴングが鳴り響いた。
会場は静寂に包まれている。師範が力無く槍を落としてしまう。
アイラは大きな槍を片手にぶらさげ、もう片方の手を師範の肩にのせた。
それ以降もデタラメな強さであっさりと大人の部も快勝。現在アイラとマトモに戦えるものはいない。アイラはこのあと、道場に戻り、道場をのっとってしまった。

 14歳になった。アイラは今日も道場で見学者達に大技を見せ突ける。見学者達は腰をぬかす。
アイラの技はそうそう真似できるものではない。ある日自らの道場に花を飾ろうと、出かける事にした。
街角のあとある花屋、看板には仁義商会連合直参後見結社瑠奈と書いてあった。
”店長と腕試しをして勝てた人は全品無料”
と書いてある。アイラはさっそく店長を呼んだ。店員達がいぶかしげな目線を向けてくる。無理も無い、アイラはまだ14歳の少女だ。
対する店長は、社長にずいぶん鍛えられた猛者である。しかし、アイラは店長を一瞬で倒してしまう。そんなとき、ルナが現れた。
特殊な力は使ってい無いが身のこなしでその恐ろしさが伝わってくる。自分が戦えばまず勝てまい。アイラはもはや、手合わせをしてほしいとすら言えずにその場を後にした。
数日は道場で門下生をあしらいながら、考えていた。結局挑まなければ強くはなれぬだろうと。アイラは花屋でバイトをすることを決意した。
アルバイトはまず清掃から始まった。清掃を教えてくれるお兄さんはやはり身のこなしからしてただものではなかった。
社長は今日も今日とて出かけている。なかなか姿を現さない。ひとまず、掃除のお兄さんと手合わせすることにした。
「僕は武器を使わない。その自慢の槍がどれくらい使えるかは知らないけど、遠慮はいらないよ。」
そう構えるお兄さんの目は黄色かった。六気をぶつけてようやく対等になれる。アイラの六気はまだ発達していない。赤目にも対抗しうる六気も今はまだ黄色眼で手いっぱいだ。

大きな穂先でなぎ払うようにアイラが槍を繰り出す。掃除のお兄さんことゼルは、刃ごと殴り飛ばしてしまう。次の攻撃は見えている。
ゼルの目線は自分の目を見るが、すばやく防御しきれない顔面を狙い、かわしたときの担保はおそらく下腹部である。
果たして読みどおりである。槍をすばやく手放して後方へ身を翻すと、ゼルはソバットを先ほどの自分のいる場所に放っていた。
紙一重の見切り、六気は少しばかり磨かれていたようだ。無駄が消えている。
アイラはひとまず降参をした。徒手空拳でこの男に勝つのはまず無理だ。槍を手放す以上、逃げの一手に限る。
「もう一度やれば勝負はわからない。ここでギブアップされたら、僕はとうとう一撃もキミに見舞えない事になる。いい判断だよ。」
身長2メートルを越える父が厳しい修行の果てに使いこなした重い槍なのに、ゼルは棒切れでも扱うように拾い、アイラに手渡す。
黄色い目をした超人のうわさは聞いていたが、ウソではないらしい。

 あのとき以来、ゼルは姿を見せない。掃除係りから出世して組織の取締役になった。
ルナと共にどこかにいるようだ。
15歳のアイラは、いつもどおり花屋でバイトをしていると道行く人々がうわさをしている。
「4国がそうあたりの戦争をするそうだ。」
「マウントのルナにヤヘイのゼル、リナとチャッピーも参戦するらしい。惨状は目に見えているが、スカイヤが蒸発したりしてな。」
「するんじゃないか?だって、あの4人は…」
ルナ、ゼルの単語にアイラは興味を持った。
このスカイヤ地方を舞台にあの二人と戦えるかもしれない。
しばらくすると、慣れない緊張した空気が漂ってくる。戦争が近いと対象の国はどことなく緊張する。
すると、北東の海域にマウントが来襲、上陸を始めたらしい。
北西にはオーシャン国の大艦隊が詰めかけた。
南東からは、屈強なヤヘイの兵団が、南西は、チボーンの科学部隊がいる。たちまちスカイヤを中心に極限状態になった。
アイラは南東側に走った。
作品名:無敵最強絶対不敗伝説 作家名:peacementhol