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無敵最強絶対不敗伝説

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我らにはこの六気のライがついている。550万の頼もしき味方がいる!準大将5人がいる!20人を越える中将がいる。毎日この日のために腕を磨いた諸君らがいる!誰一人、ヤヘイの化け物に劣るものはない!違うか!」
ライの演説は決してウソは言わない。ウソを言わずに気力だけは負けない演説である。
演説が終わり、作戦会議の会場に移動する。
ミレーヌが秘書ぶってまとわりついてくるが、ライはさっぱりわからない。美人だけど目が釣りあがっているし、顔を赤くしてブスッとした表情なので、機嫌が悪いくらいにしか見えない。
作戦会議ではオカダが真っ先に口を開いた。
「我が軍は、オーシャンの英雄にして我が娘、リナとマウントの生ける伝説ルナが参軍しました。今こそ我らがヤヘイを蹴散らす機会と存じます。」
その言葉が終わらないうちに、伝令が会議室に飛び込んできた。
「ヤヘイ軍一斉に瓦解!リナ、ルナの両名によってヤヘイ軍30万戦闘不能!」
時計は5時を回っていた。9時には現場での会議があって、3時から開催される将軍職の会議の最中であった。
朝に襲撃したとしても知らせが届くはずだ。軍隊が動くのだから。聞けば、朝の会議中に二人がこっそり抜け出したらしい。いつもは昼過ぎまで陣中で素振りをしているはずが見つからなかったそうだ。どこに言ったのかと思ったら、ヤヘイから降伏するという表明が届いたのである。
信じられない強さの二人にどうしても会いたいところだが、軍の最高責任者として、ヤヘイの残党の始末をしなければならない。
スカイヤはとかく敵を作らないことが信条であるため、戦争後に手を取り合う選択をしなければならない。
ライはヤヘイの負傷者を全員スカイヤに収納し、治療を施した。死傷者はゼロ。聞けばその日の祝宴で飲みつぶれて翌日には二人とも出ていってしまったそうだ。
ヤヘイの連中は治療が済み次第、交通費を渡して自らの足で帰国させる。降伏の条件にしっかり交通費も請求してあったのはスカイヤなりのやり方と言うものだ。

 さて、ライはリナかルナを追って旅に出た。
マウントやヤヘイなどに足を運ぶが、一向に見つからない。1年かけて歩き回り、スカイヤに戻ってきてしまった。もう18歳になる。
「最近俺、ちっとも戦ってない。ヤヘイ闘技場あたりで遊んでくれば良かったかな…。」
そんな事を考えていると、遠くで化け物が出たと騒いでいる。ここはスカイヤだ。そうなると、スカイヤ軍の最高責任者であるライはナントカしなければならない。

暴れているのは、なんとカツノリだ。カツノリはケンカを売らなければおとなしいやつだ。
カツノリの背中に飛び乗り、たてがみをつかんでなだめるとあっさりおとなしくなった。
「この化け物は争いを好まぬが、おまえ達はこの化け物を退治しようとしたのだな?」
付近住民は背中に書かれた大の文字を見ておののいてしまう。
「大将様のペットとはいざ知らず…申し訳ございません。」
住民の謝罪はここでは不条理な謝罪だ。謝るべきは自分である。ライはカツノリの背中から降りて敬礼を取った。
「私はペットの管理および、監督がしっかり届いていなかった。謝罪するべきは私の方である。付近住民にかけた迷惑は多大であった。これはスカイヤ軍の責務そのものであり、このたびの不始末は住民の判断による処罰を仰ぎたい。」

肩書きの重さがわかってないようでも潔すぎる軍のトップの敬礼は付近住民の心を動かした。
「では、カツノリ様の飼育は我々にお任せください。村をあげての飼育ならばこのサイズでもしっかりできるはずです。」
スカイヤの国民は本当に気のいい者達であった。住民の一人が経営するレストランに招かれ、伝説のメニュー、キムチスパゲティをご馳走になった。水っぽいキムチがただでさえ太いスパゲティにあうはずがない。スパゲティのソースは普通オリーブオイルをベースに濃厚な味のものを選ぶはずだ。
心温かいスカイヤ国民の味覚の異常は国を挙げて改善しするべきだと思った。
「帰ったら、陛下にオーシャンの料理人を積極的に売り出すように提案しよう。」
ライの大将としての責任が少しだけ重く感じられた。

執務室に戻ると、書類がタワーになっていた。
「私はこの塔にかかんに足を踏み入れる。生きて帰るぞ……おい、5将どもを呼べ!」
準大将5人がやってくる。留守中彼らはリナ、ルナの恐ろしい働きに触発されて、修行をしていたそうだ。そのために、5人で手分けして行う仕事も貯まり、ライの方にまわされていたのだ。
「ライちゃん、あたしたち、スカイヤ軍主催の武術大会をするのよ。あたし達はあなたを倒すわ。他の子たちは、いい成績が出るように頑張るらしいわ。賞金はトップエイトまで出るのよん。」
武術大会。ライにとっては久々に全力で暴れる事ができるかもしれない機会だ。ここは一つ、皇帝陛下にタワーをクリアしてもらうことにして、ライもまた、武術大会に出場することになった。

 
武術大会には、ライを含め、準大将5人、中将20人、それ以下の階級の者も無差別に参加し、参加者は500人を越えた。
ライは主催者に予選から最もたくさん戦うシードを要求した。だが、進行委員会は示しがつかないことと、六気で本戦まで武器も使わずに進んでしまうという理由で拒否された。
スカイヤ市民にわずか500円の入場料で観戦し放題にしており、見るものを楽しませたり、スカイヤ軍の入隊希望者の増加が狙いだそうだ。5将もまた、ずいぶん面白い企画を考えたものである。
結局、シードで本戦まで運ばれてしまったので、ひとまず、観戦に入る。ポップコーンを頼むと、アサリ味とキムチ味しかなかった。
リナがキムチを好むのと、ルナがあさりを好むことが理由らしい。ライはポップコーンは塩バターしか食べないので、断った!

 
予選は訓練場全体を使ったサバイバルマッチである。スカイヤ軍の軍服がほとんどだが、老人がいる。ライは目を疑った。
いつぞや、オーシャンの襲撃の際、あどけない少女と一緒に逃げていた老人、ゲンライである。とっくに引退した伝説の軍曹である。
軍曹でありながら、鍛えた後輩をことごとく将軍職に押し上げ、教え子の将軍達に身分違いながらも常にアドバイスを続けた。
そのゲンライが竹刀を持ってたたずんでいる。
老人だと舐めてかかる兵士達があっさりと沈んで行く。老いてなおその力はすさまじい。
ゲンライのいるブロックは、ゲンライの一人天下だ。本戦にひとり強豪が増えた。

 別の方に目を向けると、ツインテールでスカートにスパッツをはいた……男がいた。
ハイキックを見舞うたびにスカートを隠している。

階級を意識して戦いの邪魔にならぬよう、将軍職の者は階級がばれないように提案をした覚えはあるが、女装しろと指示した覚えはない。とはいえ動きのキレからして中将クラスの人間だろう。上司の顔が見て見たいと思った。右隣の下座には、ヒメコがいた。
「ナイスキック!恥ずかしがっちゃダメよ〜」
ライは軽く頭が痛くなった。
左側にはミレーヌがクールに戦闘を見ていた。
しかし、やけに距離が近い。と思ったら、平均して2メートル感覚で設けられている、大将席でミレーヌの席だけ自分に密着している。
作品名:無敵最強絶対不敗伝説 作家名:peacementhol