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無敵最強絶対不敗伝説

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肉体派はブルーメニューと呼ばれるたんぱく質やビタミンなど肉体疲労を補うメニューが多い。
オーシャンをそのまま通過していくと、チボーンにさしかかった。チボーンは現在マウントとにらみ合っている。チボーンでは、義勇兵の募集をしていた。ライは、スカイヤの大将が他国ではどういう位置になるのかを知りたくなって、参加することにした。
任されたのは陸軍少尉である。剣術テストでは実力を隠すために、適当に剣を振り回していたが、それでも攻撃は当たってしまう。
大げさに怖がりながらよけているが、なんとなくにじみ出る威厳というか、上級者ならではの動きの鋭さがある。試験管に本気を出せととがめられるほどであった。
一等兵以下を希望したのに少尉である。ちょっと暴れれば昇級してしまうだろう。
ライはスカイヤの軍隊に遊びにいってそのまま大将にされてしまったのだ。
マウントから進軍して来ているという知らせが入った。いやおう無しに集合する。
集合すると演説が始まった。
「諸君、我々は強力な科学と、魔法という力に支えられており、中途半端な装備のマウントとは持っている力が違いすぎている。我らの高等なる力を見せつけてやろうではないか。」
実にやる気の出ない演説だ。”われら”が強いのではなく、”精鋭たる諸君ら”強くなければやる気はおきない。七三分けの元大将が演説のやりかたを教えてくれたのでよくわかる。自分も少尉なので、曹長以下の部下に鼓舞をしなければならない。
「俺達は、他の少尉たちが率いる隊とはわけがちがう。俺達は、先頭きって活躍できると同時に、仲間を守る力がある。俺はそう信じている。一人残らず生きて返って祝杯あげるぞ!いいな。勝利の宴、ここにいる全員が参加するとここに記録しておく。欠席するやつはゆるさねぇぞ!」
ライ大将ならではの鼓舞だが、部下達は思いのほか盛り上がっている。部下達に鋭気を促した手前、怪我人を出させるわけにはいかない。それが上に立つものの責任だと、十六歳ながらに知っているのだからライは大したものである。元5大将の教育も優れていたといえよう。

 さて、出陣して戦場にやってきた。敵は海からやってくるという。全員が剣ではなく魔術を使い、船や兵器を使って戦うということで、ライはこれはこれで勉強になりそうだと考えていたが、上層部からの命令はひたすら待機である。承服しかねるままに時間だけが過ぎていく。すると、空を飛んで行く影が見えた。名前はチャッピー。今回の戦闘における総大将である。自ら海の方へ飛んでいくと、津波が襲ってきた。このままでは部下達が飲まれてしまう。ライは身をよじり竜巻を作り出して正面に打ちつけた。
津波が左右に割れて襲ってくる。後方は絶壁、正面の津波はまだ勢いがある。
「俺の近くに来い。できるやつは自分の技で津波をよけろ。おまえ達の訓練にあったはずだ。信じろ。やれ!!」
全員が津波に向かって障壁を展開する。
「少尉!後ろの絶壁によって、海水はッ!!」
そんな声を無視してライは絶壁に向かって走った。恐ろしいスピードで掘り進めて行くと、運良く洞穴を掘り当てた。今度は衝撃波を打ちつける。穴は広がっていく。そこに水流がぶつかり巨大な穴になって水を吸い込んで行く。部下達は、しっかり自分を障壁でかばいきったようだ。津波が収まり、一息つくと、マウントの軍服を着た兵士達がどんどん流されてきた。誰がやったか、潜水用のバリアを使っている。やとわれ少尉のライには不思議きわまり無いが、とにかく敵兵なので、縛りあげる。部下達もそれに習うと同時に自分の管轄外の味方を救出する。
結局、総大将チャッピーの魔法で戦争は片付いた。チボーン軍で最も活躍したのはライ少尉率いる師団で、敵兵捕縛、味方兵救助などの功績がたたえられ、またその指導力を評価されて、少佐の称号をもらえる事になった。しかし、ライの部下達がそろって異論を唱えた。
「ライ少尉は、たった一人で俺達をかばって、俺達に正しい指示をくれた。なにより、洪水の逃げ道を作るのはこの国の大将にだって真似はできない!少佐なんて小さすぎる!」
唯一ライ率いる師団のメンバーだけが、軍人としての誇りを持っていた。ライの指導力はただごとではないとした、チボーン軍は、あらためて、ライを大佐に引き上げた。
ライは戸惑った。大佐ともなれば、次は将軍職である。スカイヤで大将、チボーンで大佐は難しい。スカイヤのチボーン側の海沿いに事務所を構えなければならない……。

チボーン軍の祝宴が佳境にさしかかってきて、ライのもとにチボーン軍の中将が現れた。ライのもとにくると直立不動の最敬礼の姿勢をとった。
「この度は我がチボーンにご協力いただきありがとうございます。スカイヤ帝国国軍、大将ライ殿」
なぜか素性がばれてしまった。だが、いい機会だ。ライは敬礼の姿勢のまま申し出た。
「我がスカイヤには貴国と友好を深める用意がございます。有事の際は私がスカイヤ大将の名に懸けて貴国をお手伝いさせていただきます。」
スカイヤは4国に囲まれている。どこの国とも仲良くなっておくに越した事はない。皇帝の口癖を実践するように、挨拶をした。
中将は新聞を持ってきてライに見せた。
新聞の記事は、スカイヤの急を告げるものであり、まさに飛ぶようにスカイヤに帰国することになった。
 スカイヤにたどり着くと、5人の準大将が出迎えた。今はオカダが陣頭指揮を取っているらしい。にらみ合っているヤヘイがいきなり勢力を増してきて、危険な状態らしい。
「我が方は、オカダが何をしたかは知りませぬが、山賊上がりの兵士が550万、正規兵4万で554万。敵方は30万程度なれど、ヤヘイが相手とあっては油断はできませぬ。オカダ中将の他にもその…ヒメコが現在総大将補佐についていまする。」
ヒメコは大将の一人で、ライに衝撃波をレクチャーしたオカマの大将である。そして報告しているのは紅一点のミレーヌ大将である。
「経験上、俺の判断よりも準大将5人で話し合った上での決定をなるべく優先したい。ヒメコを呼び戻せ。議論はすばやく行う。常に議論を展開し、俺が残した二つの選択肢を多数決で決める方式を取る。オカダなら滅多な間違いはしない。それより、ヤヘイに黄色眼はいるのか?そっちの方が重要だ。」
ライの意見は的を得ていた。世の中はもっぱら黄色眼ブームである。うわさでは554万の中に黄色眼が混ざっているというのもあるが、そうそう簡単に黄色眼がいれば苦労はしない。5大将の元筆頭グレンのような逸材は滅多にいないだろう。今は自分がグレンの代わりにならねばならない。
「ラ、ライ様、そんなことより、他の準大将も戦線に繰り出すべきです。そのっ…私めがライ様の護衛を引き受けますれば。」
頬を赤らめながらミレーヌ大将は提案した。
ライは自分よりはるかに先輩であるミレーヌが言うなら、それも戦略であろうとそれにしたがった。ミレーヌは訓練所でライに切りかかり、あっさり敗れて以来すっかりその男気にほれていた。

 まんまと二人きりになったミレーヌはライが演説する時も片隅にいた。ライの後姿に見とれているのが、バレバレだった。
「ヤヘイ軍は最強集団である。だが、我らは果たしてそれらに屈するであろうか?否。
作品名:無敵最強絶対不敗伝説 作家名:peacementhol