無敵最強絶対不敗伝説
「遠くから何か飛んできて、俺達ほうに向かってきて、うちのルナが弾き返して、オーシャンが見えて、とんでもない衝撃波がたくさん飛んできて、ルナが打ち返して知らないうちにみんな倒れてたんだ!!」
映像が切り替わる。
「では、次のニュースです。スカイヤ名物天空神輿の最高記録が出ました。記録は・・・」
衝撃波、黄色眼、二人であっという間に壊滅。ライにとってはどれも興味深いし、自分の知らないものだ。
まずは、衝撃波から調べることにした。
例の5人のうちのオカマが、衝撃波の名手と言われているので、気持ち悪いが習うことにした。
「ライちゃんには内緒にしたいわねぇ〜教えちゃったらますますたくましくなっちゃうじゃな〜い。」
せめてヒゲを顔に押し付けてくるのは本当に止めて欲しい。
「まずはぁ〜、剣に力を流し込むのよ。ゆっくりそっと優しくよぉ〜〜」
そういう割りには竹刀に力が流れ込んで行き、触ったら怪我をするんじゃないかと思うように光っている。
「まだ、触っても大丈夫よん。うぶなのねぇ。ライちゃんは。これを放り投げてあげるのよん」
果たして、放り投げるように竹刀を振るうと、衝撃波が飛んで言った。
ライは、実行した。剣に覇気や殺気などの六気を集中させる・・・竹刀は粉々になってしまった。
「ライちゃん!激しすぎるわ!もっとやさしくしてあげて!!でもライちゃんの場合剣で覚えたほうがいいかしらん?」
はたして、剣を持って力を込めると、剣がどんどん光を増していく。放り投げると・・・
訓練所の壁をぶち抜いて飛んで言ってしまった。遠くには、将校らの詰め所がある。仕方がない。オカマの仕業にしておこう。
「黄色眼?知ってるわよぉ〜。なんでも聞いてね。黄色眼はね、生まれつきなの。あたしたちにはできないわね。残念。ライちゃんの黄色眼はきっとかわいいわよぉ〜〜。」
精神的に相当なダメージになりそうなのでライは礼を述べてその場を後にした。
あとは、あの二人を探すしかないようだ。どちらかでも見つかればなにかわかるかもしれない。まずは、オーシャンとマウントが戦ったという戦場に行く事にした。皇帝陛下に頼んで休暇をもらった。スカイヤに危険があった場合に必ず参ずることを条件にしてある。
さて、スカイヤの首都を離れて小さな村に立ち入ったときのことである。
大型の猛獣が村の畑や店の食料を奪ってしまい、姿を見てもすばやくて捕まえられないという。なにより、10人がかりで立ち向かってもやられてしまうという。ライはスカイヤ軍将校の最高位である事を示す、軍服で出てきてしまったため、付近住民はライに追いすがる。
「大将様!怪物を退治してくだせぇ。オラ達の生活を守ってくんろ。」
もみくちゃにされたライは、仕方がないので怪物が現れるのを待った。
果たして夜中にダミーの餌を置いておくと、現れた。見上げるような高さの位置に頭がある。体長にして5メートルは下らない。こんなにでかいのが、腹を満たそうとするなら、付近住民ごと食ってしまいそうなものだ。
詮索はいい。とにかくこの化け物を倒さねばならない。ライは六気をぶつけた。
怪物はただならぬ気配に殺気を強くした。怪物が前足ですばやくなぎ払う。ネコ科の動物が良くやる攻撃に近い。サイズがサイズなので食らったら死ぬだろう。しかし、ライは足の裏を当てて押し返す。化け物の前足をササッと上って化け物の背中に飛び乗る。体毛をわしづかみにして、ウマにでも乗るように操ると、果たして化け物は言う事を聞いた。
「村人の言うことはちゃんと聞くように。また、村人も少しでもこいつになにか食わせてやって欲しい。こいつは意外に話がわかる。」
ライはそう言い残すと、そのまま化け物を操っていってしまった。
さて、獣道を進むが、さすがに巨大な化け物を乗り回しているため、狼などの猛獣は襲ってこない。
そのまま化け物を乗り回して無事に山脈を越えると村にたどり着いた。付近の村では、最近分裂した新島組の残党、新興会社新島が暴れ回っているらしい。ライは、スカイヤ軍大将として、放っておくわけにもいかず、新島を懲らしめる事にした。
新島の事務所にたどり着くと、新興会社新島という看板が目に付く。規模はさほどでもないが、中からはガラの悪い声が聞こえる。
化け物は自分が思った通り、門をぶち壊してくれた。中から山賊が出てくる。
「誰じゃ!わしらのシマで何さらし……」
山賊はライが乗る化け物を見て腰を抜かした。
ライは言い放つ。
「この近くの村で略奪などを働いているという話を聞いた。俺はスカイヤ軍の大将、ライ。」
化け物を操っているとは言え、たかが一人。
スカイヤ軍の重役とはいえ、たった一人。
新島はライを倒すことにした。
構成員達が、化け物に切りかかるが化け物はことごとくそれらを跳ね除ける。接近戦は厳しいと、銃による攻撃を図るが、ライは銃弾を的確に打ち返すし、化け物は銃弾では痛くもないようだ。
結局ライが化け物の上から、衝撃波を繰り出すなどの一方的な攻撃で、新島は壊滅した。
組織の責任者、新島カツノリを逮捕し、村の治安局に連行した。そろそろ化け物と言うのも味気ないので、適当に化け物にカツノリという名前を与えた。
さて、大将としての仕事を忘れないながらも、スカイヤの国境までたどり着き、海に出るが、カツノリを乗せてくれる船がない。
なにより、カツノリ以前に海の化け物がことごとく船を沈めてしまうという。
海の化け物のせいで、船が出せないならば、スカイヤの大将として無視するわけにはいかない。まずはその海の化け物を見るため、海岸沿いに張り込む事にした。
適当に魚などを放り込んでいると、カツノリよりもはるかに巨大な化け物が現れた。
イルカのような風体だが、なかなか凶暴な感じだ。カツノリが陸上で戦えば互角になるだろうと言う体格だが、海で戦えばカツノリといえども人たまりもない。カツノリから降りて、化け物に衝撃波をぶち込んだ。
化け物は逃げてしまうが、単身船を出して追いかけていく。すると、海から飛び跳ねて襲い掛かって来た。あごのあたりに拳をたたきこみ、六気をぶつける。すると、腹を出してプカプカと浮き上がってきて、死んだわけではない。六気は動物的本能をじかに攻撃するため、野生の動物であれば耐えられない。体格の違いと肉食動物ならではの度胸があればこそ、カツノリだけはライに襲い掛かる事ができた。
さて、船にはなんとかカツノリも乗ったし、船にロープでくくりつけた海の化け物、ローラに船を引っ張ってもらうことで、オーシャンに向かった。
ライは16歳になった。オーシャンの戦場を見に行った時はすでに片付いており、戦闘の形跡は見つからない。戦争をでたらめにした二人の情報も手に入らない。しかも、着ている服はスカイヤの軍服なので、戦争をして2年しかたたぬ今見つかれば、襲われてしまうだろう。ライは着替える事にした。
髪型は後ろで縛って前髪をたらし、目立たぬ色合いで動きやすい服を選んだ。
これで道を堂々と歩くことができる。
オーシャンはなんといっても食べ物がうまい事が特徴であり、頭脳派の者はホワイトメニューなる、ホワイトカラー向けの肩こりや脳の疲労を軽減する食材を中心にしたメニューを好む。
作品名:無敵最強絶対不敗伝説 作家名:peacementhol