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無敵最強絶対不敗伝説

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「いらっしゃいませ。今の時期ですと、スイートピーなどがお勧めです。種から育てる育成セットがお安くなっております。」
野太い声で言われてもげんなりする。こいつらは間違いなく商売を間違えている。チャッピーはたずねた。
「この国の情勢ってわかるか?」
一応店を構えているのだからなんとなくはわかっているのだろう。
「はい、役所に申告した売り上げの6割が税金になります。住民達はそれで大変な生活を強いられています。ワタクシどもは、ルナ社長の友人であるリナ社長からいくらかしのぎをいただいておりまして、経営に損傷はありません。そうでなくても、売り上げを詐称していますから、リナ社長にはなるべく迷惑をかけないようにしているのです。」
リナ社長とはどういう人物だろうか?チャッピーは確認の意味を含めてたずねた。
「今日もこの国の軍隊を痛めつけている海賊の船長です。ワタクシどもは、密かに住民の生活のバックアップもしております。」
チャッピーは興味を持った。海賊でありながら、政治システムの隙間を通って住民の生活に影響を与えるメカニズムだ。仕組みはこうだ。
独裁国家など、政治が乱れている国家を見つける。海賊リナが軍隊を破壊、行政機関の意識を海賊に向ける。その間に、起業の申請を通しておき、店を構える。
付近住民から、不満を持つ要素などを聞き出し、国の悪い部分を掌握、脅しの道具に使う。
いずれ、住民をバックアップして仁商連の立会いの下、革命を起こす。革命後、仁商連は、新国家の直参として権力を掌握、実質上の政治団体に変貌する。

手の込んだ国家転覆のプランである。確かに海賊だ。確かに仁義系だ。だが、ダミーの商売だとしても、ガーデニングショップはありえないとチャッピーは確信していた。事実、客も近づかないし、うっかり店に入っても客が飛び出してくる。追ってきたサングラスとスキンヘッドは涙ながらに引き止めるのが精一杯だ。

チャッピーは面白い国に入り込んだので、少し寄り道をすることにした。
海賊の国家転覆、独裁国家、暗躍するやくz・・・組織。主導権を自分に持ってくるにはどうするか・・・。
まずは、一番気になる海賊を見ることにした。

海賊といえば海であろう。海に向かうが、途中に差し掛かる山で、山賊が現れた。
「ここは新島のシマですたい。通行料をはらってもらいましょう。」
しかし、チャッピーは黄色眼で言い返した。
「主ゃなんば言いよっとや?」
新島の幹部もしていた、かつてリナの道案内をした、構成員はあの黄色眼を見て腰を抜かしてしまった。
「ぬしゃおっどんらの言葉が話せると?そん黄色眼は・・・??」
チャッピーの学問と黄色眼の勝利である。

 チャッピーはそのまま拠点のある方向を尋ねると、北を指差した。チャッピーは赤目を開いて、杖を振りかざすと、先端から何本もの光が出てみるみる拠点に吸い込まれていく。
新島の事務所は、立て直しからわずか3年足らずで再び壊滅してしまった。

年が明けて、チャッピーが宣言した期間が迫りつつある。マウントのヤヘイ側は緊迫状態になっている。
そうでなくても、オーシャン付近とスカイヤ付近に兵力を置くと、海賊に襲われる。最近うわさの海賊は、もっぱら軍隊ばかりを付けねらっているのだ。陸の中心のヤヘイ側が軍隊にとっては最も安全なのだ。
だが、各国の海軍はことごとく海賊によって打撃を受けている。特にスカイヤなど、中心の首都に軍事力を集中しないと餌食になるので、首都が一時的に基地となっている。

どこの国も強力な海賊のせいで、身動きが取れず、事実上の平和がもたらされていた。
緊迫した平和の中で、仁商連が着実に勢力を伸ばしている。
"暗いニュースはガーデニングで。戦争で廃れた心もガーデニング。仁商連のガーデニングショップ"
このようなチラシを電話ボックスや公衆トイレなどに貼り付けてある。
また、貼り付けているのはソリの入ったリーゼントだ。ルナはこの会社のトップでありながら、社員教育をあまりしていないようだ。

さて、チャッピーはひとまず、マウントに脅迫した手前、計略を実行することにした。
オーシャンとマウントの国境。やはり手薄になっている。空を飛んで門番の頭上を通り過ぎ、着地する。
そのままスタスタとマウントの中央へ入っていく。
本拠地までもがギリギリの戦力でしかない。赤目を開くと、ざっと数百人しかいない。旗の数は、せめてものブラフといったところだ。今度は赤目に覇気を込める。すると、目に映る人間がパタリと倒れた。
黄色眼系の能力は、訓練で身につく覇気などの力を増幅する。赤目の殺気は人によっては死んでしまうので、覇気で十分である。

そして、マウントの中枢の城にどうどうと入るが、門番も全員気絶している。マウントの国王だけは、気絶させていない。だが、国王も異変に気がつくもどうすればいいかがわからない。そのまま国王の部屋に入り込む。
「お久しぶりです。国王陛下。約束どおり。マウントを頂戴しに参りました・・・チャッピーだ!」
国王はまだ状況が飲めていない。


「俺の声は聞き覚えあるよな?その2日後にタイミングよく手紙が届いたろう?全部俺の仕掛けだ。まさかおめーら本当にヤヘイに釘付けになるとか、のんきだなぁ?海賊もいるけどよ。本国を手薄にするのはどうかと思うぜ?国王さんよぉ??」
どう考えてもチンピラだが、全てを仕組んだ張本人を目の前に国王はどうしようもない。
「私の首を取ったところで、マウント軍の中核にいるものが必ずや、貴様を打ち滅ぼすであろう。」

国王が観念して言うが、チャッピーはなお続ける
「そうは言っても、5大国の一つ、武装のマウントがよもや、ヤヘイに戦線を傾けすぎて、本国が取られたんじゃ、情けなさ過ぎる。ひとつ提案なんだけどよ・・・」
チャッピーの目が赤く変わる。

「ヤヘイはまだ力を取り戻してねぇ。このままヤヘイをぶん取れ。俺がおまえの参謀として、責任持ってマウント軍を預かるからよ。給料は、生活できる分だけでかまわねぇ。その代わり、マウント軍で、今話題の海賊を鎮圧する。」
マウント国王はチャッピーの言い分もわからないでもない。何より言葉乱暴に、わがままを言っているようだが、律儀に雇用の値段を設定させてくれたり、部下として動くと言っているあたり、マウントに敵意があるわけではなさそうだ。
「いいだろう。私が戦線に早馬を出してヤヘイ攻略を指示するのだな?くれぐれも国民には手を出すなよ。わしとてマウントの国王なれば・・・」
国王は、覇気と殺気と闘気を同時に放出した。二つ以上を同時に扱うのは至難の技だが、さすがは皇帝だけある。Aャッピーの赤目を見ても正常でいられるほどなので、普通の人ならば、ひれ伏してしまうか逃げ出すであろう。
チャッピーは契約成立と見るや、言葉も丁寧に
「見事です。陛下。早馬は私にお任せください。チボーン出身の身なば、陛下にお伝えしたように、戦線の責任者に連絡をいたします。・・・落々ホーン!」

所変わって、ヤヘイ側国境沿いのマウント軍中央拠点。総大将を努める、先の准将、現在の少将に連絡が入った。
作品名:無敵最強絶対不敗伝説 作家名:peacementhol