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神王ラーリスと魔王クラーゼスのRP

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 しばらくして、カスク達3人もラーリスの所に来た。
「ラーリス、こっちの方はまだ片付いていないのか?」
「いえ、黒雲の1体を捕まえたので、クリエンテさんに調べてもらっているところです」
 クリエンテは影の方に手をかざして何かやっている。影の周りでは色々な光る文様が飛び交っている。
「黒雲を捕縛ですか・・確かに抵抗することもできなかった頃には考えられなかったですね」
 クリシアが影を見て言う。
「ん?」
 カスクが影の足の部分を見て、尖っている部分があるのを見つける。
「なんだ?」
「クラーゼス様。解析終了」
 クリエンテがクラーゼスの方を向いて報告している。
「よし、何が解った?」
「この物体は存在が希薄。空間が変化してできた物。常時、変化を続けている」
「何?と言うことは、生命体や無機物の類ではなく、空間そのものと言うことか」
「正解。材料は空間」
「んん?ってことは、あたしらは空気と闘ってた様なもんか?」
 アクビアが質問する。
「そうなりますね。どこにでも現れるのはそう言うことですか」
 ラーリスが納得する。
「それでは、先程の結界を解除した場合に現れるような、罠が仕掛けられたのはどういうことだ?今までそんな現象は無かったんだろう?」
 ハーガルスがクリエンテに問う。
「それは変・・」
ピシッ
 クリエンテが答えようとした時。何かが割れる音がする。
 見ると、影を捕縛していた法陣に亀裂が走っている。
 影が変化していく。
 柔らかい感じの体が角のある物体。水が氷になるような変化をしていく。
 形そのものも、大きく変わり始め、大きな翼が生えてくる。
ズアッ
 音と共に全身の色が変化する。
 そこには、真紅のクリスタルバードが現れた。

「な・・・」
 カスクが驚くのも束の間。捕縛陣が砕け散ると、クリスタルバードは空に舞い上がる。
 舞い上がった所で羽ばたくと、2メートル程の紅いクリスタルが飛んでくる。
「うおっとお!」
 カスク達はそれらを避けていく。
 横に目をやると、クリシアが羽をつがえていた。
 どこに持っていたのか1メートル程の長い羽を弓につがえている。
「フェザーアロー!」
 クリシアの声と共に羽がクリスタルバードに飛んでいく。
 クリスタルバードは旋回してそれを避ける。
ギュンッ
 追跡していた羽も旋回し、直撃する。
ドドドドドドドドドドッ
 当たった瞬間、羽が数十に増えクリスタルバードを攻撃する。
 攻撃が効いたのか、動きが止まる。
「黄金(ゴールデン)の・・」
 声にカスクが振り返ると、ラーリスが構えていた。
 槍を投擲する構えの頭上には黄金に光る、10メートルの巨大な矢があった。
「矢(アロー)!」
 ラーリスの頭上から光が飛んだ。
 クリスタルバードは避けることもできず貫かれる。
 体に大穴を開けたまま、霧散していった。

「捕獲は無理の様だな」
「そうと限ったものではありませんが、難しいのは確かですね。あの状態で法陣を破ることはあなたでも困難なはずです、クラーゼス」
「ぬかせ、あの程度なら時間もかからず破れるわ」
「ラーリス様。やはりあの神法陣は、重複型ですか?」
 ケストエルがラーリスに聞く。
「どんな捕縛陣でもいずれ通用しなくなる」
 クリエンテが代わりに答える。
「我らの力が通用しなくなるのと同義。封印したとしても、それほど長くかからず破られる」
「・・・」
 しばしの沈黙が流れる。
「どうやら、元を断たないとダメみたいだな」
 クリズがカスク達に近づきながら言う。
「そうなりますね。葉や枝が掴めない以上。根を抑えるしかありません」
「根か・・となると、世界で一番、黒雲の密度が大きい所だな」
 クリエンテがクラーゼスの方にひざまずいて、
「クラーゼス様。黒雲を探知開始、時間が大量に必要」
「よし、奴らの巣を見つけ出せ!」
「はい」
ドンッ
 音と共にクリエンテが上空へ飛んでいく。
 あっという間に見えなくなる。
「・・・なあ、お前ら一体何者なんだ?」
 クリズが呆然としながら問いかける。

 クリエンテは上空2キロほどで静止する。
「世界図、構成」
 そう言いながら両手を突き出すと、クリエンテの手前に立体映像が作られる。
 平べったい板がクリエンテの前に形造られていく。
「平面型世界・・」
 クリエンテはそう呟きながら、作業を進めていく。
 山や海、街などが作られていく。
「黒雲、探査・・」
 そう言うと、黒い点がその世界を覆っていく。
「・・・!」
 クリエンテがそれを見て何かに気付くと、地面に急降下する。
 クリエンテはゆっくりと地面に立つと、クラーゼスに立体映像を見せる。
「クラーゼス様。探査結果終了」
「おう、どんな感じだ」
 ラーリス達もそれを見る。
「やはり、ほとんどが埋められてるな」
「68%黒雲で出来ている」
「勢力図は3―7ですか、ですが、なにかしらの傾向はあるようですね」
 ラーリスはそう言って広い砂漠の部分を指す。
 そこには全く黒雲が無かった。
「砂漠には近寄れないってことなのか?・・あと、この円形に黒雲がいないってのは」
「そこは抵抗をしている人達でしょう。ここと同じく対抗する術を見つけているといった所でしょうが、数が有り過ぎますからね。物量戦になっているのでしょう」
 カスクの問いにラーリスが答える。
「怪しいのはこの3つになりますね・・」
 クリシアが3つの大きな黒球を指す。
 かなりな大きさの黒球が抵抗している街のすぐ近くにある。
「よし、とりあえずこの3つの所から潰していこう」
 カスクが皆に言う。
 ラーリスが皆から少し離れた場所に移動すると、両手を突き出して何か唱える。
 そこには先程、城の前に設置されていた結界装置が20個現れる。
「クリズさん」
「おっ、おう、なんだ?」
 ラーリスが装置を指しながら言う。
「この結界装置を4つ1組で5重に設置してください。先程の黒雲の出現からすると、彼等はどこに現れるか予測がつきませんから。あと、この装置は防ぐだけでなく黒雲に触らせれば消滅できるようになっています。効果範囲は無限ですが、なるべく近い所に設置してくださいね。黒雲に出くわして結界が近くにないと逃げることができませんから」
「・・・これが?・・なんか俺が作ったのと同じに見えるんだが・・まあいい、俺が結界装置を作るのに3日もかかったんだから」
 クリズは感心した後、これを設置してくるように他の仲間に指示を出した。
「ああそうだ、世話掛けっぱなしじゃなんだから、俺の新作武器をやろう」
 クリズは城に取りに行く。
 しばらくして戻ってくる間に、カスク達は次の目的地を相談していた。
「では、この一番近い街、と言うことですね」
 ラーリスが次の街を指す。
「ん?そこってレイズウェルじゃないか?」
「ご存じなんですか?」
「ああ、爺ちゃんの知り合いの魔法使いがいる街でね。名前はレイミール」
 クリズはカスクに剣を渡す。
 普通の剣とは違い、刃幅が広く、刃がいくつも重なっている。
「この中じゃお前が一番弱そうな装備だったからな、これはステータスソード。名の通り、持主の能力によって成長する剣だ」