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神王ラーリスと魔王クラーゼスのRP

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「武器を作るって・・・お前、鍛冶屋だったのか」
「ああ、そうだ。ちなみにお前でなく、クリズ・スレインっていう名前がちゃんとある」
「ったく、なにをまごまごやってんのよ。こんな結界。そのうち簡単に破られるっての」
 アクビアが痺れを切らしたのか、前に出てくる。
「何?俺の作った結界が破られるだって?そんなわけ・・」
 アクビアは腰を落として正拳を叩きこむ。
ゴォンッッ
 結界はガラスがひび割れていくかの如く崩れていく。
ボンッ
 結界を発生させていた装置が煙を出して壊れる。
「は?・・・」
 クリズはボー然とそれを見ていた。

「このど馬鹿」
 いきなりクリエンテがアクビアに突っ込む。
「な・・」
 アクビアが抗議しようとした時。
「「「オオオオオオオオオオオオオッ」」」
 3つの雄たけびが木霊した。
 皆が街の入口を向くと、3つの巨大な人影があった。
 結界が張ってあった所を北とするなら、東西南の3方向から突然出現する。
ズンッ
 10メートルはあろうかの巨体がゆっくりと城を目指して歩いてくる。
「罠。結界消滅と同時に発生する仕掛け」
 クリエンテが冷静に解説する。
「な、なんてことしてくれたんだ!あんたはっ・・・」
 クリズはアクビアに食ってかかろうとするが、途中で影の方に向き直る。
「くそっ、そんなことしてる場合じゃねえな!」
 クリズは肩に背負っていた筒を組み直すと2M程の長い筒になった。
 それを影の一つに向ける。
ドンッ
 クリズが筒の引き金を引くと、筒の先端から光が出、影に向かっていく。
ゴッ
 光は影の右肩に当たり、その右腕が弾け飛ぶ。
「おっ、効いていますね。それは大砲だったのですか」
ラーリスはクリズの大砲を見て感心する。
が、その右腕はすぐに再生した。
「効かないか。・・それでも足止めにはなる。おい、お前等、俺の部屋に行ってこれと同じ物を持ってこい!あと20個はあったはずだ!」
 クリズが仲間に指示を出す。
「いえ、その必要はありません」
 ケストエルが結界装置に杖を振る。
ブゥン
 結界は瞬時に破壊前と同じになる。
「な、何だと?」
 クリズは驚愕するが、構っていられないという感じで、ラーリスが指示を出す。
「右は私が、ハーガルスさんは左をお願いします。中央は・・・行ってくれるわけないですよね」
 クラーゼス達の方を向くが、
「フン、この程度のことに我らが動く道理はないな」
 アクビアとクリエンテも同じ考えらしい。
「俺が行こう」
 カスクがラーリスに言う。
「ずっと神様に頼り切りってわけにもいかないからな」
 ラーリスはカスクをじっと見る。
「・・わかりました。ただし、倒せないようでしたら、ケストエルの近くに避難してください。結界も元に戻っているんですから、無理をする必要はありません」
 そう言うとラーリスは右の影に向かって走っていく。
「兄様。私も手伝います」
 カスクが振り向くと、クリシアが斧を構えていた。
バッ
 音と共にクリシアの斧の翼が開いたように広がる。
「・・・クリシア。それは?・・」
「私も武芸は幼少の頃より学んでいます。それに、魔法武器があるので心配いりません」
「・・・よし、ただし、ラーリスが言ったように無理するなよ」
「はい!」
 カスクとクリシアは正面の影へと走って行った。

 ハーガルスは肩にあった双剣を走りながら下段に構える。
「咆哮波(ハイーストウェブ)!」
ゴゥッ
 ハーガルスが唱えると、激風が影に当たり、その動きを止める。
 ハーガルスは跳躍すると影の頭の部分にまで迫る。
ズバゥッ
 そのまま切り上げ、影の腕を切り落とし、頭を斜め十字に切り裂く。
 両腕が落ち、頭の部分が霧散する。
 ハーガルスはそのまま影の後方に着地する。
 地面に落ちた両腕がハーガルスに向かって飛ぶ。
 ハーガルスは直撃の寸前に影に向かって走る。
 影の真下まで来ると、右手を突き出す。
「八相剣召!」
 ハーガルスの手の周りから巨大な8本の剣が飛び出す。
ズシュゥッ
 剣は影を貫き、影はそのまま弾け飛ぶ。
 ハーガルスが振り返ると、腕は影の消滅と共に消えていた。

 2つの輝く眼光が影に迫っていく。
 影の方もゆっくりとカスクとクリシアに迫ってくる。
 影は左腕をカスクに振り下ろす。
「おおっと」
 カスクは後ろに飛び退きながら剣を振り上げる。
ドゴンッ
 影の手の先端が2つに切り裂かれながら地面を砕く。
 そのまま、腕が消滅する。
「!」
 影は気づいたように後ろに大きく飛び、カスク達と距離を取る。
 影は右腕を伸ばし、近くにあった家をぐるぐると何重にも巻きつける。
「おいおい、まさか・・」
メギッ
 かなりの音を立てて20メートルはあろうかの家が持ち上がる。
 影はハンマーの要領でクリシアめがけて振り下ろす。
ドゴオオオン
「クリシア!」
 カスクが叫ぶが、クリシアの答えがない。
「まさか潰され・・」
ズッ
 カスクが言い終わらない内に家が持ち上がり、そのまま上へ振り上がる。
 カスクが目で追うと、50メートル上空にクリシアがいた。
「え?」
 家はそのままクリシア目掛けて振り上がっていく。
 クリシアが斧を少し振ると、かなりの速度で急降下していく。
 そのままクリシアは影の後方に降り立つ。
 影は家をクリシアに振り下ろす。
ドゴオオオン
 さすがに家の耐久度が持たず、崩れ落ちる。
 クリシアは影の頭とほぼ同じ高さに滞空していた。
「このウイングアックスは伊達にこのような形はしていませんわ」
 クリシアは斧を掲げて言い放つ。
 影は次の家を巻き取り、持ち上げられなかった。
「あれだけ囮をやってたら、こっちには気づかないよな」
 カスクは影の片足を切り払っていた。
 影の体が地面に崩れ、横倒しになる。
 その態勢から、家を持ち上げる。
「はあああっ!」
 影が家を持ち上げた瞬間。クリシアが影の胴を薙ぎ払っていた。

「さて、どうしたものでしょうか・・・」
 ラーリスは影を目の前で、顎に人さし指を当てて考えていた。
 影は1ミリたりとも動けなかった。
 影の周りには何重にも法陣が形成しており、常に動いている。
「ラーリス様。どうされました」
「あら、ケストエル。結界の方は大丈夫ですか?」
「はい、他の二つの影が消滅したので、こちらの様子を見に来たのですが」
「カスクさん達も倒すことが出来たのですか。先程、何度も轟音がしていたので気にはなっていたんですけど」
「はい、思いのほかクリシア王女が活躍されたのが意外でしたが」
 2人は動けないままでいる影を見る。
「ラーリス様。これはどうされるのですか?」
「ええ、折角ですからこれの調査でもしようかと思ったんですが、この巨体ですから・・」
「ほう、捕縛したのか」
 2人が振り向くとクラーゼス3人とクリズも来ていた。
「そうだな・・クリエンテ」
「はい」
「この影を調べろ」
 ラーリスは驚いた顔つきで、
「おや、協力してくれるのですか?クラーゼス」
 クラーゼスは腕を組んで。
「フン、魔王がこの程度の小物に手こずるようでは面白くないのでな。弱点でも調べて滅ぼしてくれる」
「あらら、やっぱり発想が魔王ですね」