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神王ラーリスと魔王クラーゼスのRP

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 カスクが受け取った剣を構えると、剣から青白いオーラが出る。
「エネルギー型の剣がこの世界にはあるのか」
 クラーゼスはオーラを見ながら言う。
「あとな、剣を見て分かると思うが、何種類かに形状を変えることができる」
 カスクはクリズから剣の説明を受ける。
「ありがとう。役に立たせてみるよ」
「おう、俺もこの結界装置を調べて黒雲の対抗手段を考えてみるからな」
 そう言って、カスク達は蛍光城に見送られていく。
 次の街、レイズウェルに向かって。


「そうか、ディスビーズの街は救われたか」
 蛍光城の王は兵士の報告を受けていた。
「では、ラーリス殿。約束通り、お主たちに協力することにしよう。何なりと言うがよい」
 ラーリスは一歩前に出て、
「恐れながら王様。先程調べて分かったことですが、彼等、黒雲は大陸の七割に及んでいます」
「何!それは真か?」
 さすがの王様もこれには驚愕する。
「はい、ですのでこの城の兵士による支援はあまり意味を為しません。そこで、この蛍光城には移動可能な拠点として使用させてもらいたいのです」
「・・・そうだな、大陸の七割では火山に涙する程度であろう・・・」
 王様は落胆する。そこでラーリスが続ける。
「この蛍光城には自衛として、黒雲に通用する槍を3千本と黒雲が触れると消滅する結界装置を100基用意しました。これで勢力範囲を変えることは可能です。ただし、数が圧倒的に違いますから、今のところはこれから向かうレイズウェルで使用してください」
「レイズウェル?確かにあそこはまだ健在のはずだが・・そこに向かうのか?」
「はい、黒雲の原因とされる場所は3か所。そこは街などの近くにあるのです」
「・・・確かに圧倒的な力の差では頭を潰すしかあるまい。伝令!」
「はっ!」
 王様に呼ばれ、兵の一人が近くに向かう。
「これよりレイズウェルに向かう。機関部に伝えよ!」
「はっ!」
 伝令は駆け足で部屋を出ていく。
「さて、ラーリス殿達には御苦労であった。部屋を与える故、レイズウェルに着くまで休むがよい」
「ありがとうございます」
 ラーリスは一礼をして、部屋を出ていく。
「神王よ、どうして我らだけで行かない?この城ではあまりに遅いがな」
 クラーゼスが自分達の部屋に向かう途中でラーリスに言う。
「それではカスクさん達の体力が持ちませんよ。それに、アクビアさんや、クリエンテさんもあなたほど体力があるわけじゃありません」
「フン、我らの従者にそんな貧弱な者はおらぬ」
 ラーリスはクラーゼスの方を向き、クリエンテの方を向く。
「クリエンテ。あなたは気づきませんでしたか?」
「・・何?」
「カスクさんの力のことです」
「え?俺の力?」
 呼ばれてカスクは聞き返す。
「・・確かに異種なる力。調査の必要がある?」
「私はこれまで何回かカスクさんの力を複製してきましたが、あの力はかなり高レベルな術式をしていました。人間であの術式を組むとなると・・」
 そこでラーリスは言葉を止める。
「・・いえ、やはり人が一生を懸けて可能かどうか分かりません」
「フム、貴様にそこまで言わせるとなると・・クリエンテ。カスクを調べろ」
 クラーゼスはクリエンテに命令する。
「はい、カスクを調べます」
 クリエンテはカスクの手を取って歩いて行く。
「おっ、ちょっと待て。ラーリス、いいのか?」
「ええ、この際ですから解明してもらってください。大丈夫、カスクさんに何かあると困るのは全員ですから」
 ラーリスはにっこりと笑って言う。
「貴様。何気にひどくないか?」
 クラーゼスの非難もそこそこに、ラーリスはクリシアの方を向き。
「クリシアさん。確かあなたの記憶には転送される以前の記憶があるそうですね」
「え、ええ、そうですけど」
 話を振られて少し戸惑う。
「この際ですから両方調べてみましょう。クリシアさんはこちらに」
 ラーリスがクリエンテを引っ張っていく。

「そのベッドに横になる」
 個室に入ってきたカスクとクリエンテは天蓋付きのベッドにカスクを横たわらせる。
「な、なあ、痛いのとかあるのか?」
 少し恐々とクリエンテに聞く。
「調べるだけ、痛覚がある確率は少ない」
 そう言うとクリエンテは術を唱え、カスクの周りには鈍く光る文字が出来ていく。
「・・・」
 クリエンテは時々文字の一部を触れ、そこから図形が現れる。
「・・・能力的に一般の人間・・・」
 クリエンテは腕を組んで考える。
「な、なあ、何か解ったか?」
「・・・調査中」
「・・・」
 カスクはそれ以上何も言えなかった。
「!」
 クリエンテは何かに気づき、カスクの方を向く。
「カスク、あの力を使う」
「あの力?」
「黒雲を無効化する力」
「ああ、あれか。確かにあの力事態は何も解ってなかったよな」
「いいから使う」
「お、おう」
 カスクは目を閉じて感覚を思い出す。
カッ
 カスクが目を開けると、右目が紋様を描き、光る。
パキン
「!」
 乾いた音と共にカスクを覆っていた調査用の魔法陣が壊れる。
「あれ?なんで壊れちまったんだ?」
「・・・」
 クリエンテはカスクの目の文様をじっと見つる。
 クリエンテが再び魔法陣を作るが一瞬で破壊される。
「・・・魔法無効化能力?・・」
 クリエンテは呟く。
 クリエンテはカスクの腹の上に馬乗りになる。
「!。お、おいクリエンテ?」
 カスクは戸惑うが、お構いなしにクリエンテはそのままカスクの顔を覗き込む。
 眼は開かれていないが、クリエンテも美形と言える顔立ちをしている。
 不意にクリエンテが起き上がり、右手を上にかざす。
「黒技槍」
 その手には黒く切っ先が蛇行している槍が現れる。
「お、おい!クリエンテ?」
 そのまま振り下ろす。
バシュッ
 何かが弾ける音がした。
 カスクが恐る恐る目を開けると、手を振り下ろした状態のクリエンテがいた。
「・・・やはり、無効化?・・・」
「おいおいおい、試すなら試すってあらかじめ言ってくれよー」
 カスクはフウとため息をつく。
 その後も色々な魔法を試すクリエンテだった。

 一時間後。へろへろに疲労したカスクがいた。
「お、おい。もうやめにしないか?」
「・・・疲れたか?」
「ああ、さすがに、この力を使うことに慣れてないからな・・」
「私も疲れた」
「ああ、そんじゃ休憩にしようか」
「では、お前の生気をもらう」
「は?」
 言うなりクリエンテはカスクに口づけする。
「!」
 濃厚なディープキスが続く。
 カスクは抵抗しようとするが、疲れていたのと気持ち良さがそれを阻む。
 しばらくして、クリエンテが顔を離す。
「・・お、おい、一体?・・・」
「悪魔は生物の生気、魂を喰らう」
「な・・」
「安心。死なない」

「!」
 椅子に座って向かい合っていたクリシアは何かに気付く。
「どうしました?」
 ラーリスがその様子からクリシアに聞く。
「・・いえ、何か急に腹が立ってきた変な感じがします」
「え?」
「いえ、ただの気のせいだと思います」
兄の危機に気付かないクリシアだった。


 大陸の中央部。
 上空1000メートル。
 そこは、大気しかない場所だった。
「せーの」