小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

神王ラーリスと魔王クラーゼスのRP

INDEX|3ページ/21ページ|

次のページ前のページ
 

「どうしました?カスクさん」
カスクは辺りを見渡してから
「いや、魔族の連中がなにかしら仕掛けてくるのかと思ってたんだけど」
「そうですね。恐らく、私がいるので生半可な手段では意味がないと判断したんでしょう」
カスクはラーリスを見て、
「そうだよな、神様に何かしようと考える奴なんかそうはいないしな」
「ええ、クラーゼスの方も機を窺っているところでしょう」
「・・・俺がついて来た意味は無かったんじゃないか?」
ハーガルスがそう言うと、ケストエルが答える。
「ラーリス様が最初に言われた通り、あなたは人間に対する抑止ですからね。実際、どこの村や街でも我らに寄ってくる者はいませんでしたでしょう?まあ、例外はありましたけどね」
ハーガルスは威圧感はあるものの、顔立ちは良いので女性に言い寄られてはいた。
「それも今日でお終いだろう。カスクが騎士団に入れば、それで運命とやらが何か起こすからな」
「まあ、そうだといいんですけどね」
ラーリスは真剣な顔つきで言う。
「ラーリス様。未だ未来が見通せないのですか?」
「ええ」
ケストエルが質問するとラーリスが答える。
「なあ、神様ってどのくらい未来が見えるものなんだ?」
「・・・ほぼ100年位先の事までは占えます」
「100年っ?・・・おいおい、そんなに先がわかるのなら、今回の事だってどうすればいいのか分るじゃないか」
ラーリスは考え込み、カスクの方を向くと、
「・・・あまりに大きな力が関与する。この場合、魔王クラーゼスになりますが、そういった者が歴史に影響を及ぼすことがあるので、[不確定要素]で未来が変化させられる事があるんです」
「未来を変える・・・」
「そうです、ただ今回はこの時点で未来が分からないのは変です。神クラスの者がなにかしら行っている。もしくはそうする予定であるということです」
それ以上話すことはなく、一行は城へと辿り着いた。


巨大な城門の前にいる兵士にカスクが声をかける。
「すみません。今日、騎士団の入団試験を受けにきたカスクという者ですが」
「ん?ああ、入団試験を受けにきたのですか、ではこちらに・・・と、そちらの3名も入団試験を受けにきたのですか?」
兵士は3人を指さすと、
「ああ、私達はカスクさんの連れの者です。できたら試験を見学させてもらえませんか?」
ラーリスがお願いすると、
「連れ?・・・」
兵士は3人を見る。
ラーリスは両手を組んで兵士にお願いしている。
「んーまあ、見学なら別にいいか。通っていいぞ」
「ありがとうございます」
4人が通ろうとすると、ハーガルスが呼び止められる。
「ああ、そこの黒い剣士の人!」
「ん?俺か?」
「そう、悪いんだがその肩の両剣は預からせてもらえるか?さすがにそんな大層なものは城に持ち込むと危険だからな」
ハーガルスは躊躇することなく両剣を兵士に預ける。
しばらく、城を進んでいる途中、カスクがハーガルスに囁く。
「いいのか?あんなに簡単に渡して」
「ああ、別にこの位の城なら素手でも5分もあれば陥落できる。それに、あの剣は呼べばいつでも手元に戻ってくるからな」
「おいおい・・・」
(ひょっとして魔族にとって人間は相手にもされてないんじゃないか?)

しばらく進むと、開けた場所に出る。
兵士の訓練施設があった。
すでに、30人くらいの人が列を並んでいる。いずれも入団希望らしくカスクと似たような人が多い。
一番先頭の人が木刀を構えて、同じく木刀を構えた兵士と対戦をしている。
その横には騎士団長らしい髭の大男がそれを見ている。
「ん?」
カスクが目に留まったのは、この場所には不釣り合いの人物がそこにいた。
白ドレスにティアラをしている。王族の姫のようだった。年の頃は18といったくらいだろうか、水色のロングヘアをしている。
「あの、ちょっといいですか?」
カスクが列の一番後ろの人に話しかける。
「・・・なんだい?」
「あの、王族らしき人は誰ですか?」
「ああ、あれはクリシア王女だよ。なんでも入団試験が見たいというので見学してるんだと、まあ、城には娯楽なんてあんまりないだろうからな」
「そうか・・・」
カスクの後ろでケストエルがラーリスに耳打ちする。
「ラーリス様。あの王女ですが」
「ケストエルも気が付きましたか」
「はい、あの者。何か異様です」
「ええ、私も違和感を感じています」
しばらく二人で王女を見ていると、
「カスクさん」
ラーリスがカスクに肩を叩いて言う。
「どうした?ラーリス」
「予定を変更します。私達3人も試験を受けます」
「は?・・・どうしたんだ?」
「訳は後で説明しますから、その時に」
カスクは納得しないまま、順番が回ってきた。
「では、次の者、前へ!」
カスクは木刀を受け取ると、同じく木刀を構えている兵士を見据える。
「はっ!」
カスクが気合とともに木刀を振り下ろす。
兵士はそれを受け止める。
ガッ
力比べが行われた後、カスクは受け流すようにして右側面へ移動する。
そのまま右から胴を薙ぐ。
兵士はあわてて飛び退くと、カスクはそのまま兵士の足を狙うように払い切る。
兵士は片足を浮かせてそれをかわす。
「はぁっ!」
カスクはそのまま兵士の手を叩き上げる。
「ぐっ!」
カランと乾いた音を立てて兵士の木刀は地面に落ちた。
「勝負あり!」
騎士団長は手を挙げて試合を止めた。
「よし、入団試験は合格だ。貴公の名を聞いておこう」
「はい、カスク・ノーマルと言います」
「うむ、ではカスク。詳細は後で説明する故、試験が終わるまで待っていろ」
「わかりました」
カスクは少し離れて待った。
「では、次の者、前へ!」
ラーリスも木刀を受け取り前へ出る。
「ん、ちょっと待て。お前も入団希望なのか?」
「え?そうですが何か?」
確かにラーリスの格好は法衣を着たままの状態で、もともと体もそんなにがっしりとしているわけではない。街人Aという雰囲気だからである。
「ううむ、・・・まあ、いい。では、始めよ!」
ラーリスはまっすぐに剣を構える。
兵士も剣を構える。
ラーリスが動こうとしないので、兵士が先に動いた。
「フンっ」
そのまま剣が交錯する。
ドンッ
兵士は何が起こったのか分からなかった。
剣同士の乾いた音ではなく、何かが倒れた音がした。
見ると、剣が喉元に突きつけられていた。
「あのー、まだ続けます?」
ラーリスは地面に横たわった兵士に剣を突き付けていた。
ラーリスは剣が交錯したまま力押しで兵士を地面に倒したのである。
「・・・・・」
周りは呆然としていた。あまりに予想外な展開に。
「・・・あっ、うむ、それまで!」
騎士団長も呆然としていたが、ラーリスに勝敗が上がった。
「・・・うーむ、お前、名はなんと言う」
「ラーリスと言います」
「・・・そうか、あー、聞きたいことがあるが・・・まあ、後にしよう、お前も待つがいい」
「はい、わかりました」
ラーリスはカスクの隣に行く。
「なあ、ラーリス」
「なんですか?カスクさん」
「ラーリスって剣術習ったことあるのか?」
「いえ、習ったことはないですね。もともと剣の使い方は備わっていましたから」
「それって生まれた時から?」
「いえ、正確には存在した時からですね」
「存在?」