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神王ラーリスと魔王クラーゼスのRP

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ラーリスは天に人差し指をむけて唱える。
空全体が白く輝き、光が落ちる!
ドンッッッ
クラーゼスは左手で光を止める。
ラーリスは両手を交差させ、
『 真空層風球(ベルソレイス) 』
巨大な嵐の球体がクラーゼスに突っ込む。
ガッ
クラーゼスは右手で球体を止める。
雷と嵐を受けとめながら魔王が唱える。
『召喚 吸収魔合剣』
魔王の3倍の長さを持つ黒剣が現れる。何色かの宝球が埋められている。
剣が現れるとラーリスの放った力が吸い込まれていく。
「・・・そんな剣が、ならっ」
ラーリスは両手を天と地に向けると、
『 神鉄槌 』
天から光が舞い降り、ラーリスの10倍はあろうかの巨大な白いハンマーが現れる。
両者は武器を振りかぶり、
2つの威力は激突する。
凄まじい衝撃はその場所から谷が創造される。
雲は全て無くなっていた。

2者はしばらく対峙して、
「・・・これ以上、頭が潰し合っても損だな」
クラーゼスは剣を消す。
「・・・認めてくれたようですね」
ラーリスは安堵する。
「この大地を粉々にしては意味がないからな」
「同感です」
クラーゼスはラーリスを指差し、
「だが、あの人間は別の機会に奪ってやる。楽しみにしていろ」
そう言うとクラーゼスは黒光に覆われ消えていった。

「ケストエル」
ラーリスがつぶやくと杖を持った青い衣の天使が現れる。
ふんわりとした青い長髪で片目が隠れている。青い瞳をしていた。
「お呼びですか、神王様」
ラーリスは1軒だけ残った宿を指差して、
「あそこにいるカスクさんと私、そしてクラーゼスを除いたこのあたり一帯を30分前に戻してくれますか?」
ケストエルと呼ばれた天使は杖を掲げると、一帯が青い球体に包まれる。
球体の頂上に巨大な時計が現れる。
ケストエルが杖を半回転させると、その時計の針も半時動く。
そして杖を戻すと、普段と変わらない村の風景があった。

宿屋の部屋の扉が開くとラーリスとケストエルがカスクの部屋に入ってきた。
ケストエルは翼がない状態で、衣の代わりにジャケットを着ている。
「カスクさん、大丈夫でしたか?」
「・・・・・・」
カスクはまだ茫然と窓の外を向いたままでいた。
ラーリスがカスクの前にきても気づかないでいると。
カスクの頬をおもいっきりつねる。
「いて、痛いって、ちょっと、ラーリス!」
カスクが痛がるとラーリスは頬を放して、
「これは夢じゃありませんよー」
ラーリスは笑顔で言う。
「・・・・・・」
カスクは頬をさすりながらラーリスの方を見る。
「・・・神様・・・なんだよな」
「ええ、先ほども言ったように、私は神です。」
「・・・そっちの人は?」
カスクが尋ねると、ケストエルが前に出て、
「初めまして。私は時の天使、ケストエルと言います」
ケストエルは一礼をする。
ラーリスが人差し指を立てて、
「ケストエルは時を操れる天使でして、先ほどの村の修復もやってもらいました」
「天使?」
カスクが聞くと、ケストエルが答える。
「ええ、さすがに人のいるところでは翼は出せませんし、ラーリス様同様、天使だと知られるといろいろ厄介になりますから」

しばらくして、
「あーわかった、わかった。つまり、俺は運命の人間で、神族や魔族に狙われていると。そういうことだな?」
「ええ、簡潔に言えばそうです」
ラーリスはお茶を飲みながらそう答える。
「それで、俺はどうしたらいいんだ?」
「いえ、特にこちらからあれこれ命令することはありません。あなたは予定通り、騎士団の試験を受けに行ってもらえればいいんです」
「え?・・・・・でも、俺って重要な人間なんだろ?魔族から保護するとか・・・・」
「カスクさん。最初の夕食の場でタロット占いをやりましたよね?」
「?・・・ああ、それが?」
「あの占いはそのままなんです。あなたが[城に向かうのは]運命なんです」
「運命・・・・・」
「私はそれを魔族に阻止、または利用されるのを防ぐために来ました」
「・・・・・」
「さて、カスクさんに分かっていただけたようですし。・・・ああ、それとこのパーティでは見た目が弱いので、もう一人供を付けますね」
「え?」
「女二人に、男一人では盗賊などに目を付けられるでしょうから」
ラーリスは手をかざすと、床に青白く光る魔法陣が浮かび上がる。
「!・・ラーリス様、それは・・」
光が立ち上るとそこには一人の男が立っていた。
黒髪に黒の鎧、肩にある二つの大剣も黒いという黒ずくめだった。
男は周囲を見渡すと、ラーリスに向き直す。
「・・・俺を呼んだのは誰だ?」
「私ですよハーガルス。やっぱり、すぐには分りませんよね」
ラーリスは少し困ったような顔をする。
「まあ、神族が魔族召喚を行うことなんて、めったにありませんからね」
ハーガルスはラーリスをじっと見ると、
「ラーリス・・・神王?」
「おや、さすがにあなたには分るようですね」
「なぜ、俺を呼んだ?」
ラーリスはカスクを手で示し、
「こちらのカスクさんは今回の重要人物でして、私達と一緒のパーティを組んでほしいんです」
ハーガルスはカスクを見て、
「人間と・・?ラーリス、詳しく説明してもらえるか?」
「そうですね、実は今回、魔王クラーゼスがカスクさんを抹殺、あるいは利用しようとしているので、その護衛みたいなものですね」
「護衛?あなたが同行するなら要らないのでは?」
ラーリスは首を振ると、
「いえ、魔王だけならいいんですが、当然配下の者も出てくるでしょうから。それと、あちらにはもう私がカスクさんに付いていることを知っていますから。先程一戦交えましたので」
「何?もう戦闘があっただと!」
「ええ、おかげでこのあたり一帯が壊滅したのでケストエルに修復してもらいました」
「・・・では、なぜ俺のような魔族に同行させる?」
「えっ?!あんた、魔族だったのか!」
カスクがハーガルスの正体に驚く。
ラーリスが手で遮り、
「ハーガルスさんを同行させるのは、魔族に詳しいからです」
「・・・・・」
2人はしばらく沈黙し、ラーリスが口を開く。
「さて、皆さん納得してもらえたところで、明日からこのパーティで行きますから」
ケストエルとハーガルスがうなずく。
カスクはまだ納得していない顔をしている。
「ケストエル。ハーガルスさんの部屋の用意をしてあげてください」
「わかりました」
そう言うと、2人は部屋を出ていく。
「それではカスクさん。今日のところはこれで」
ラーリスも部屋を出ていこうとすると、
「ちょっと待ってくれ、ラーリス」
ラーリスはくるりと向き直ると、
「何でしょう、カスクさん?」
「あの、ハーガルスって魔族。・・・信用できるのか?」
「ああ、魔族だから信用しにくいってことですね」
「そうだ、裏切ったりなんてことは・・・ないよな?」
ラーリスはカスクの両肩を掴んで、
「だーいじょうぶですって。ハーガルスさんはそんなことしません。だって彼の奥さんは、」
ラーリスはにっこり笑って、
「天使ですから」
「え?」
カスクはボー然としたまま、ラーリスを見送った。


翌日、カスク建ち4人は城に向かい始めた。
道中、魔族に襲撃されることはなく、5日かけてカスク達は無事に城下町に着いた。
「んーー・・」