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神王ラーリスと魔王クラーゼスのRP

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 カスクはそれを叩き落そうとソードを振り下ろす。
バキィィィ・・
 カスクのソードはあっけなく折れ、砕けていく。
 エラートの剣が迫る。
刀身が完全に砕けた所でカスクは覚悟を決める。
ドンッ
 カスクは何かに横から弾かれた衝撃を受ける。
 目を開けると、クリシアが2メートル程の盾を構えて、エラートの剣を防いでいた。
ズズズズ・・・
 踏ん張りが効かず、クリシアは盾を構えたまま後退していく。
「うあっ!」
 クリシアが悲鳴を上げる。
 音も無く、エラートの剣がクリシアの盾を貫通して、脇腹に剣の先端が刺さっている。
 それでもクリシアは耐え、その状態のまま後退していく。
バシッ
 何かが弾けた音がすると、エラートの剣が消え、手元に戻っている。
 クリシアは盾を構えたまま両膝を突く。
「クリシア!」
「・・兄・・様・・」
 カスクがクリシアの元に駆け寄る。
 傷はそんなに深くないが、立つことが出来ない様子だった。
「まダ・・存在して・・いル」
 エラートはそう言うと、剣を頭上に掲げる。
「カオスグレイブの・・真の・・スガタ」
ガゴ・・・・・ン
 エラートの掲げたカオスグレイブが周りに展開していく。
 その姿はまるで針の山の様だった。
 それをカスク達の方に向ける。
「カオスの・・一部ト・・」
 エラートがそう言うと、カオスグレイブの真ん中の刀身の周りに4つの球体ができる。
 その球体は様々な色に絶えず変化をし、明滅している。
ドッ
 混沌の壁が迫る。
 多様な色をした絶えず変化している[壁]が迫る。

 先程とは打って変わり、辺りは明るくなっていた。
 クラーゼスは右顔と左腕を無くしていた。
「反対にしたから[真なる朝の光]ってとこか?」
ガッ
 ヴァイオはそう言うとクラーゼスの腹を殴る。
「ぐっ・・」
 クラーゼスの腹部が吹き飛びるが、まだ崩れない。
「ほー、さすが魔王ってとこか・・こんだけのダメージで死なないってのは」
『召喚っ 吸収魔合剣!』
魔王の宝球が埋められた黒剣が現れる。
ヴァイオの力が吸い込まれていく。
 だが、周辺全体に広がったヴァイオの力を吸収するには明らかに力不足だった。
「どうやら、ここまでの様だな」
 ヴァイオはクラーゼスの頭の上にいた。
ガガガガガガ・・・・
 ヴァイオの無数の拳がクラーゼスを上から粉砕していく。
「ん?」
 ヴァイオが横を見ると、無数の槍がヴァイオに迫っていた。
 ヴァイオは気にすることなく、クラーゼスを攻撃するついでに槍を砕いていく。
 クリエンテはそれでも槍を放ち続ける。
「面倒だな」
ドドドッ
 光の衝撃がクリエンテとマティカを吹き飛ばす。
「う・・」
 吹き飛ばされている中、マティカが薄らいだ意識の中で、何かに気付く。
 目の前に何かの巨大な力が固定されている。
 マティカはそれに手を伸ばして触れる。
 その封印の効力を[0]にする。
カッ
 クリエンテの目が開いた。
 クリエンテは地面に着地する。
「やれやれ、力が及ばぬと、こうも何もできないものか」
 クリエンテは手を軽く払うと、[真なる朝の光]が突風に飛ばされるように消えていく。
「ん?」
 クラーゼスの体が半壊した所で、ヴァイオは異変に気付く。
 着地してクリエンテの方を向く。
 そこには輝く金と銀の瞳をもったクリエンテが立っていた。
「何だお前?雰囲気変わってねえか?」
 クリエンテは構わず、マティカの手を取る。
「少しおぬしの武器を借り受けるぞ」
「え・・・」
 マティカは朦朧とした意識の中、自分の手が握られるのを感じた。
ズズズッ
 クリエンテが握った手を離していくと、マティカの掌から無数の棒が出てきた。その棒には[0]と書かれていた。
 クリエンテはそれを持ってヴァイオの方を向くと、棒を持った手を上に掲げる。
 その棒は数を無数に増やし、空中に広がって配置される。
「マティカの武器か?そんなの効かねえよ」
ブン
 クリエンテは構わず手を振り下ろすと、棒が端から順にヴァイオに飛んでいく。
 最初の棒はヴァイオの足元に刺さった。
ゴウッ
 黒い炎と衝撃波がそこから放たれる。
「はっ、だからこんなもん効かねえよ」
 ヴァイオは飛び退きながらその棒をかわしていく。
ゴゴゴゴゴゴゥッ
 連続して地面に炎を放っているので、辺りは黒い炎で覆われていく。
「一名、ご案内だ」
 ヴァイオはクリエンテの声が聞こえていた。
「そりゃどう・・」
 どういう意味だと尋ねる途中で、ヴァイオは止めた。
ザザ・・・ン
 海辺に波が打ち寄せていた。
 先程までの黒い炎どころか城や、他の者達も見えない。
 ただ、砂浜と海辺と広い青空。
「あいつ・・どこかに飛ばしやがったな・・」
 ヴァイオは空間移動させられた事に気付くと、目を閉じてクリエンテの気配を察知する。
「そこか!」
バッ
 ヴァイオは跳躍してその場所に空間移動する。
ザシャッ
「なめた真似しやが・・」
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・
 地面が揺れる。周りはかなりの高温になっていた。
 見ると火山が噴火している。辺りには溶岩が流れていた。
「なに?」
 辺りを見回してもクリエンテ達はいない。
「どういうことだ?」
 ヴァイオは疑問に感じるも、クリエンテ達の気配を感じ取り、空間を飛ぶ。

「これは・・一体・・・」
 起き上がれる様になったマティカはクリエンテの近くにいた。
 そこには10メートル程の巨大な物があった。
 丁度、本の表紙と背表紙をくっつけた様に広がっており、ページは透明な板で出来ていた。
「これか?これはな、無限世界への入り口だ。あやつは私達の所へ来ようとするが、別の世界へ跳ぶようになっておる。永遠にな」
 得意げに話すクリエンテにマティカは、
「あんた一体何者なの?」
「私か?・・・私は[覇王の欠片]だ」
「覇王?・・神と魔以外にもそんな存在があるの?」
「ま、詳しくはおぬしのマスターに訊いてみるが良い」
「マスターの事も知ってるの?」
「ああ」
 クリエンテは半壊したクラーゼスの近くに来た。
「ま、おぬしはあとでケストエルにでも戻してもらえ、それから・・」
 クリエンテは地面の亀裂を見て、
「ど馬鹿は大丈夫だろう」

ゴガァッ
 広間の外壁が吹き飛ぶ。
 混沌の壁は勢いを弱めることなく突き進んでいった。
 カスク達は生きていた。カスクとハーガルスには白い球体が覆われている。
 ケストエルは時間停止しているので影響が無かった。
「オマエ・・なゼ・・?」
 クリシアは平然と立っていた。
 違っているのは、全身に瞳の紋章と同じ様なものが覆われていた。
 どちらかと言うと光の鎧を纏っている様にも見える。
「20年ぶりですね、エラート」
 声はクリシアではなかった。
「システラム・・・」
バシュッ
 クリシアの姿が一瞬でシステラムに変わる。
 全身が光り輝いていた。法衣に付いている4つの円盤状の物には横文字が書かれている。
 システラムが右手を胸に当てると、
「クリシアさんの中で修復は完了していました。後は絶対的なエネルギーときっかけがあれば復活できたのですが・・・まさか破壊された相手に復活してもらうとは思いませんでした」