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神王ラーリスと魔王クラーゼスのRP

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 ケストエルはマティカに言われるまま、祭壇の光がある所まで来た。
「入るわよ」
「え?」
 ケストエルは訳も分からず。光球の中に連れられる。

「やっぱり・・・」
 マティカの声にケストエルが目を開ける。
「システラム姉様・・」
 そこにはクリシアを抱きかかえた女性がいた。
 年の頃は20ほど、全身が光り輝いていた。ラーリスの法衣に似ていたが、両肩と両腰に円盤状の物を付けていた。そこには読めない横文字が書かれている。
「どうして・・こんな姿に・・」
 マティカの言うように、システラムは半壊していた。
 体のあちこちが削り取られたように無くなっている。
「ケストエル。時間を進めて」
「え?」
 見るとマティカの姿が見えている。
「マティカ様!姿が見えていますよ!」
「わかってる!非常事態よ!姉様がこんな状態になるなんて有り得ない!」
 ケストエルは手を強く握られる。
 マティカは歯を食いしばっていた。
「・・わかりました」
 ケストエルが杖を振ると時間が動き出す。
 システラムの目がマティカを認識する。

「!」
 マティカの目に数字が送られる。
「これは・・」
 次の瞬間システラムは弾け飛び。その光はクリシアに収束した。
「どうしました!マティカ様!」
「く・・」
 マティカはケストエルの手を引っ張り、光から脱出する。

 光から出ると、王の間は黒雲でいっぱいになっていた。
 マティカは片手を薙ぎ払うと黒雲の集団は姿を消す。
「・・戻りましょう。ケストエル」
「システラム様の手がかりはどうします?」
「もう、もらったから」
 言ってマティカは片目を抑えた。

バシュッ
 音と共に二人が現代に戻ってくる。
「お、戻ったようだな」
 カスクが言うと、2人は王の間に降り立つ。
「何かわかりましたか?」
 クリシアが2人に寄る。
「・・それが・・」
 ケストエルが何か言いだす前にマティカがクリシアを抱きしめる。
「え?」
 クリシアは何か分からず戸惑う。
「・・・姉・・様・・」
「え?ど、どうなってるのですか?」
「ケストエル。過去であったことを話してくれますか」
ラーリスがケストエルに諭した。

「そんなことが・・私の中に・・」
 クリシアは片手で自分の胸を抑える。
「後は、マティカ様が何か受け取った様子でしたが・・」
 全員がマティカの方を向くと、話し始めた。
「姉様は崩壊寸前の状態だったの、最後に私に気づいて暗号を送ってきたわ。言葉にする時間も余力も無かったんでしょうね」
 間を置いて、
「暗号にはいくつかのキーワードになっていたわ。エラート、暴走、力の差、裏、次元・・・暗号にはこれらの言葉が含まれていたわ」
「キーワードからすると、エラートは自分で行っているのではなく、暴走させられているということですね」
 ラーリスがマティカに聞くと、マティカは頷く。
「そう、まあ初めから正常のエラートなんか見たことないけど、そういう事。力の差って言うのは姉様よりエラートの方が強くなってる・・考えたくないけどね」
「原初の方々でも力の差があるのですか?」
「力の差と言うより、能力の差ね。戦いの方法によって優劣が変わっちゃうから」
「では、残りの裏と次元と言うのはなんだ?」
 クラーゼスが聞くと、
「それも考えたくないけど、この話には何か他のものが関係してる事になるわ。裏って言うぐらいだから私達には分からないもの、知らないものの様ね」
「じゃあ、最後の次元と言うのは何なんだ?」
 カスクの言葉にマティカは詰まる。
「・・単純に考えると、次元が影響している事みたいね。さっきも言った通り、詳しい事は分からないわ。謎解きになってるんだから」
「確かにあの様子では時間がありませんでしたからね・・」
 ケストエルが言うと、ハーガルスが続ける。
「とりあえずシステラムを復活させるのはどうだろう。クリシアの中に居ることは分かったんだからな」
 その言葉にマティカは首を振る。
「無理よ。姉様はあんな状態だったんだから、クリシアの中の姉様の存在比率を上げても、力が増幅されるだけで、姉様そのものは復活しないわ」
「では、当初のシステラムの力を借りて戦うというのは・・」
「出来ないわね。こうなったら私達だけで何とかするしかないようね」
 しばし重い沈黙が過ぎる。
「いえ、悲観するばかりではありませんよ」
 ラーリスが皆に話す。
「今回、私がこの世界に着たきっかけはカスクさんにありますが、その未来予知が[運命]になっているんです」
 マティカはため息をついて、
「そんな予知、私達[原初]に比べれば児戯に等しいわ。あてにならないと思うけど」
「でも[破壊]や[死]などではなく[運命]になっているんです。少なくとも悪いだけに捉えることはないと思います」


フォーマル城を離れて2日程した時。
「何だ?あれ」
 カスクが見たのは、城の上空に巨大な棒のような物が現れていた。
 それはゆっくりと降下していき、広場の真ん中に着地する。
 かなり巨大なもので、全長50メートルはある。
 その上から人が降りてくる。
「クリズ?」
「おお、カスク。久しぶりだな。って言っても1カ月と経ってないけどな」
 そこには城下街ディスビーズで鍛冶屋をしているクリズ・スレインだった。
「どうしたんだ?と言うより、この巨大な物は何なんだ?」
 そういう間に、カスク達は全員集まっていた。
「これか?対黒雲用の秘密兵器だ」
がばっ
 クリズは後ろから抱き締められる。
「クリズ坊やじゃやないか。久しぶりだねぇ!」
「いっ?レイミール?」
 クリズはレイミールを振りほどこうとするが離れない。
「ちょっ・・放してくれよ!」
「別にいいじゃないか、それより元気そうでなによりだねぇ」
 レイミールは笑顔でクリズに抱きついている。
「そう言えば、ギルとは連絡取ってるのかい?」
「え?じいちゃんとは、通信機で一月前に話したけど・・」
「じゃ、今回の件が終わったら一緒に会いに行こうかねぇ」
「おいおい、まだこの世界がどうなるか分からないってのに」
 話が進まないので、ラーリスが話しかける。
「これは・・大砲ですか?」
「おう、これさえあれば黒雲の軍団にも負けないぜ。なにしろここに来るまでに実践済みだからな!」
 クリズは大砲を叩いて示す。
「・・あークリズ」
 カスクがクリズを諌める。
「どうした?信用できないってのか?カスクは」
「いや、その前にここまでの事を話そうと思ってな」
 カスクは原初の物たちによるこの世界での行いを話した。

「・・・すげえな、神様みたいなのが争ってるってことかよ・・・」
「まあ、そんな感じだ。俺たちはまだ勝機も見えないが、このままじゃこの世界はエラートって奴に滅ぼされる訳だ。だから、お前は・・」
「ちょっといい?」
 カスクが言いかけた所で、マティカがクリズに話しかける。
「ん?どしたお嬢ちゃん」
 マティカは大砲の真ん中、大砲に括り付けられた装備を開けていた。
 そこには数十個もの直径1メートルの弾丸があった。
「これって、システラム姉様の力を利用してるのよね?」