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神王ラーリスと魔王クラーゼスのRP

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 びしっと自分を指さして答えるフェアプレイ。
「・・・ではフェアプレイさん。改めて聞きます。あなた達が黒雲の元凶ですか?」
 ラーリスは困った顔でフェアプレイに聞く。
「いや。俺はゲストっつーか、飛び入りっつーか、この世界を7割がた埋めてんのはこいつだけどな」
 フェアプレイはエラートを指さす。
「そうですか・・ではエラートさん。ザビルクズ大陸の神王として願います。今すぐこの世界から手を引いてください!」
 ラーリスは手を後ろに払いながらエラートに言う。
「・・・」
 またも反応しないエラートだった。
「・・フェアプレイさん。エラートさんは話が通じない方なんですか?」
「いや。たぶんお前等の言い方が悪いだけだろ」
 そう言うとエラートの近くに寄り、
「おいエラート」
耳元に囁く。
「こいつらはお前の敵だ」
カッ
 エラートの両目が開く。
 その目も同じく黒い文字が動いている。
バキイイイイン
 ラーリス達の指輪が砕ける。
「!」
 ラーリスは慌てて魔法陣を出し、全員に光を与える。
「ん?あれは・・」
 フェアプレイはラーリスの魔法陣を見てつぶやいた。
 エラートは両手を前に振ると、腕が伸び、ラーリスとクラーゼスに向かっていく。
 ラーリスは飛んで避ける。
 クラーゼスはそれを片手で弾・・けなかった。
「ぬ・・・」
ドゴォッ
 弾く体勢のまま壁を突き抜けていく。
 ハーガルスが右前方に出て黒剣を投げつける。
バシィッ
 突き刺さるか弾かれるかと予想した剣は、青い電撃となって消えた。
 次の瞬間にはハーガルスがエラートの後方から突きを入れる所だった。
ス・・
 攻撃は成らず、剣は音もなく消え去る。
 エラートは右手を上に振り上げていた。
 手の平の大きさはハーガルスの10倍。
「はっ」
 ケストエルが杖を向けると、ハーガルスの周囲が停止する。
 はずだった。
バキバキバキバキ・・・
 停止した空間ごとその腕は破壊しようとする。
 ケストエルが杖を振り払うと、ハーガルスの位置が後退する。
ドドンッ
 エラートの腕の衝撃で部屋が揺れる。
「悪魔力・・轟脚!」
 アクビアがエラートの頭に横蹴りを放つ。
ガッ
 赤い閃光と共にエラートの首が飛ぶ。
「よおっし!」
 アクビアは手ごたえを感じる。
ゴッ
 アクビアは蹴り飛ばされていた。
 先ほどクラーゼスが飛ばされた壁の穴へ飛んでいく。
「こ、こいつ一体・・・?」
 カスクが剣を構えたまま呻く。
 首が飛んだエラートの足はありえない伸びと曲がりを見せ、頭の上にある。
 エラートの目の前にラーリスが現れる。
ドドドドッ
 ラーリスは両拳で無数の打撃を打ち込む。
「・・全く効く様子がありませんね」
 エラートは平然と左腕を薙ぐ。
 ラーリスは宙返りでそれをかわす。
ぞくっ
 クリシアは悪寒を感じる。
 振り返ると飛ばされたエラートの頭がある。
 その口は大きく開かれ、視線の先にはカスクがいた。
「兄様!」
 クリシアはカスクに飛びついてその場を離れようとする。
 エラートの口が勢いよく閉じる。
ガシンッ
 カスクがいた場所に巨大な歯が現れ。そこにいた物を噛み砕く。
「ク、クリシアっ!」
 クリシアの両足は腿の部分から無くなっていた。
「―――――っ」
 クリシアが声にならない悲鳴を上げる。
「このっ!」
 カスクはエラートの頭に剣を振り下ろす。
 エラートの目が赤く光る。
 音もなく、光はカスクの右腕と部屋の壁を吹き飛ばす。
「ぐっ!」
 ハーガルスがカスクの左腕を取って無理やり引き寄せていた。
「巨大魔回槍撃!」
 クリエンテが両手を前に構え。エラートの体に幅3メートルの巨大な黒槍を放っていた。
グギィィィィィッ
 回転槍が直撃すると、先が枝分かれするように裂けていく。
「極大36層破(マクシィームサティスバスター)!」
 続けてレイミールが10メートルはある光弾を36個放つ。
ドドドドドド・・・
 やがて光弾が収まると、半壊している部屋の煙が消えていく。
 煙が薄らいでいくと、ラーリスが左手刀を振りかぶっていた。
「神王斬!」
カッ
 光速で振り下ろされた手刀は煙を両断した。
 そこには両断されたエラートの体があった。
 その体は異様で、中がまるっきり空洞になっていた。
「さて、これで話してもらえますか?フェアプレイさん。何故このようにしたのかを」
 ラーリスはフェアプレイの方をみて言う。
 フェアプレイは部屋の隅でラーリス達の方を向いていた。
「んー?別に戦うことにはなったはずだしな。話は早い方がいいだろ?」
「あなたが炊きつけさえしなければ戦闘にはならなかったかもしれませんよ」
「・・・いや、まだ決着付いてないし」
ドッ
 ラーリスの後ろに無数の黒い槍が迫る。
 エラートの2つに裂けた体から伸びていた。
 それはラーリスの体を貫通する。
 次の瞬間ラーリスの姿が消え、ラーリスはエラートの上に跳んでいた。
「この状態になっても動けますか!」
 ラーリスはエラートのすぐ近くまで接近していたクラーゼスを目で捉えていた。
 クラーゼスは両手を突き出す。
「魔王次重層結界」
 魔王が唱えると、エラートの周りに何重もの黒い球体が包み込む。そして、棘のある輪でその球体を何重も巻き込んでいった。
「クラーゼスさん・・・」
「フン、破壊が不可能なら結界に閉じ込めて別次元にでも放り込んでくれる」
グワッ
 クリエンテが球体のすぐ隣に魔法で大穴を開けていた。
「別次元へ飛んでいけ!」
 クラーゼスが両手を大穴に向けて振ると、球体が入っていった。
 エラートはその場に佇んでいた。
「結界透過?」
 クリエンテが叫ぶ。
「おのれっ・・」
 クラーゼスがエラートを睨みつける。
 魔王が放った結界魔法を何もせず破っていた。
「はーっはっはっは!」
 フェアプレイは笑っていた。
「あんなに大仰な魔法使って意味無いでやんのー!」
「破られる予想はしてましたが、効果がないなんて・・」
 ラーリスはエラートの方をみて呻く。
「どうやら、このパーティではエラートを倒すことは出来ないようだな。まあ、奴を破壊することが出来るなら見てみたいが、抜け殻でこの有様じゃな」
「!・・抜け殻ですって!」
「そうだ、こいつはエラートの殻でしかない。長い事ここに留まってたから、力が残留でもしたんだろ。本体は別の場所にいるよ」
「うそ・・だろ・・」
 無くなった右腕を抑えて立っていたカスクが茫然となる。
「ちなみに俺もコレは分身みたいなものだ。移動するのが面倒だからな」
 フェアプレイは親指で自分を指して言う。
「ま、レベルに差がありすぎたって所だ。おとなしくエラートの一部にでもなるんだな」
「・・・原初の・・」
ドスッ
 ラーリスがつぶやいた瞬間。エラートの体に棒が刺さっていた。
ピ・・
 この世界では聞きなれない電子音がすると、エラートの全身が青い光に包まれる。
「おいおい、まさか・・」
 次の瞬間。エラートは完全に姿を消した。
バッ
 クリエンテが開けた大穴から、何かが飛び出してきた。
 それは青く光っていた。
「おんなの・・こ?・・・」
 それは少女の姿をしていた。年の頃12歳程度。