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燈籠くんの怪奇的高校生活(仮称)

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 「待っていたよ、燈籠くん。いや、待ちくたびれたと言っても過言ではないだろうね」
 部室の一番奥の革張りの一人がけソファー。そこに腰掛ける一人の女子高生もとい女性が言った。この人が結羽海さんだ。非の打ちどころのない端正な顔立ち、手入れのされた黒髪、すらっと伸びた人間の理想形であろう手足。何度でも言おう、この人には非の打ちどころがない・・・・・・性格以外は。
 結羽海さんは、目の前の長机に置かれたティーカップを手に取り、一口だけ口に含んでから話を続けた。
 「入学式から一週間。燈籠くんから何も連絡がないから息絶えたかと思ったよ。まぁ、それはないだろうとふんで校門で張ってみたんだけどね」
 「人を勝手に殺すな!」
 「だから殺してはないよ。その可能性もゼロじゃなかったってことだよ。この世の出来事には数多もの選択肢が存在して、数々の可能性を考慮しなくてはならないからね」
 「相変わらず面倒くさい生き方だな、結羽海さんは」
本当に理論と推論で生きている人なんだ、この人は。
「とりあえず、入部おめでとうと言っておくよ。燈籠くん、宵ちゃん」
「おめでたい出来事の時に『おめでう』と祝福するんだ!」
「何を言っているんだい? 君は怪奇現象が好きで好きでたまらないじゃないか」
「違う!俺は人間が好きだ!人間が好きで好きでたまらないんだ!いや・・・・・・愛してると言ってもいい!」
「海人? その言い方だとなんか変な人みたいだよ」
「くっ・・・・・・」
しょうがないじゃないか。しょうがないじゃないか。しょうがないじゃないかぁぁぁあああああ!