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燈籠くんの怪奇的高校生活(仮称)

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「実際は、条件がある程度揃ったからカマを賭けてみただけだけどね。当たったみたいでよかった。理論や推論も間違っていたらただの戯言だからね」
この人は今、怪奇と対等に喋っている。普通だったら絶対にあり得ないこと。普通じゃないから有り得るのだ。
俺はそこで気づいた。気づいた時には叫んでいた。
「宇城丞は・・・・・・宇城丞はどうした!」
先程まで話していたのが宇城丞じゃなく、この狐だということは本当の宇城丞は何処に言ったというんだ。
結羽海さんが何も言わないと言うことは最悪の状況は多分皆無なのだろう。
でも、それでも叫ばずにはいられない。あんな変人でも同じ部員なのだから。
「あの娘は、少し前の大木に寝かせています。大丈夫ですよ、狐火で覆っているので心配はありません」
それを聞いた瞬間、一気に肩の力が抜けた。宵も俺の後ろで安堵の息を吐いている。未だに俯いてはいるが。
「それで、だ。君が私たちの前に姿を現したのは何故かな? 狐の葬式、狐の嫁入りは共に、人間の介入を嫌うはずじゃなかったかな?」
俺はもう結羽海さんに会話を委ねることにした。
「あなたは全てを見透かしているようですね。しかし、本当は貴女が私たちに用があるのでは?」
「くくく、狐は頭が良くて疲れるよ。無駄がない。効率がいいのかな? そうだよ、君の言う通り私は敢えて君たちに会いに来た」