燈籠くんの怪奇的高校生活(仮称)
狐にとって人間の『死』とは吉事なのだろうか。
結羽海さんの言う意味が分からない。
分かりたいのに、分からない。
「私は、謝らなくてはならない。君たち二人と宇城丞ちゃんに狐の嫁入りと言ってしまったことにね。私もすぐに判断することが出来なかったからね。これは狐の嫁入りなんかじゃない━━『狐の葬式』だよ」
狐の葬式・・・・・・?
いや待て。その前に結羽海さんが言ったことでひっかかる部分がある。
━━何故、俺たちの名前を分けたんだ。
「狐の葬式はね、狐の嫁入りと違って死者の出る予兆なんだ。この土地では狐の葬式が頻繁に行われていたんだろうね。天気雨が降り、狐が葬式をする。多分、これがこの土地の変死の原因なんだろうね。だから・・・・・・私たちは変わりに謝らなければならない」
結羽海さんはそう言い、続けた。
作品名:燈籠くんの怪奇的高校生活(仮称) 作家名:たし