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燈籠くんの怪奇的高校生活(仮称)

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「綺麗だと思わないかい? この暗闇に浮かぶ朧気な炎が。神秘的でとても怪奇的で。実に美しいと思うよ。言うなれば、あの怪火は奇跡の炎なんだからね」
 結羽海さんは、この状況下に置かれても何も変わらない。むしろ楽しんでいるのだろう。未開の土地に冒険に行くかのように、海外旅行に行くかのように楽しんでいるのだろう。
しかし、俺に突っ込みを入れる余裕なんてない。
あるわけがないんだ。
「麗華さん・・・・・・私、怪奇現象馬鹿にしてました・・・・・・」
宇城丞も同じらしい。あの変人が平常を失っている。
宇城丞らしくもなく、だ。
 「大丈夫だよ、三人とも。狐の嫁入りと言うのはね、遠くからしか見ることが出来ない。何故かは分からないけど、近付くと消えてしまうんだ。だから人々は怪火と呼んだのだから」
 結羽海さんは、そう言うが狐火は徐々に、徐々にその距離を縮め始めていた。その行列は目測にして優に三十メートルは超えている。狐自体の姿は見えないが、ぼんやりとだけ人型の何かが歩いているのだけは何となくだが見ることが出来た。
 「そう言えば言うのを忘れていたよ。『狐の嫁入り』というのはね、吉事の予兆なんだ。狐が嫁に入るのはとても縁起がいいことなんだよ。人間の私たちも祝福をしなければならない。同じ地球上に生きる生き物としてね」
ならば・・・・・・何故。何故、この土地で不可解な変死が起きるんだ。
何故、原因不明の死を遂げるんだ。吉事の予兆ではなく凶事の予兆の間違いじゃないのか。