燈籠くんの怪奇的高校生活(仮称)
次の日の放課後、俺は一瞬間でも最悪の曜日と呼ばれる理数系がひしめく時間割を乗り越え、部室へ向かっていた。運動部が急ぎ足へグラウンドや体育館へ向かったり、友達と馬鹿騒ぎをしながら向かっていく中、俺が向かう先は怪奇現象を解決する部活。
改めて考えると、少し悲しい気持ちになってくるのは何故だろう。
それが何故か俺は本気を出して考えてみた結果が━━これだ!
・高校生活とは、汗を流す青春
・高校生活とは、中学生よりも一ランクアップした文化に触れる。
・高校生活とは、友人と切磋琢磨しお互いを高め合う。
・高校生活とは、ある一種の桃源郷。
・高校生活とは、甘すぎるほどの恋。
この中の何が俺をこんな陰鬱な気分にしているのだろう。考えるまでも検討するまでもない━━全てだろう。全ての候補が当てはまるだろう。すれ違う連中が俺を気味が悪いという目で見ているが(多分また心の内を絶え間なくさらけ出しているのだ)、関係ない。俺は今、声高らかに叫びたい、『人間が好きだ』とね。
作品名:燈籠くんの怪奇的高校生活(仮称) 作家名:たし