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燈籠くんの怪奇的高校生活(仮称)

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 「私は怖くて怖くて仕方がないんだよ。記憶や感情は私のものだけど、身体は違う。でも、もし本当は身体が私の物で、記憶が隠されたのだとしたら・・・・・・考えられる選択肢を想像するだけで私は恐ろしくなる。私が私じゃないみたいでね。怪奇現象は確かに面白い。怪奇現象とは起こり得ないこと━━『奇跡』に等しい現象だからね。私たちは奇跡に接することが出来るのだからね。けれども、普段起こり得ないことに首を突っ込むということは、何が起こるか分からないということだ。目的も目標も覚悟もない、人間が触れていいものではないんだよ。もし、そうだとしたら━━こうなるよ」
 静寂。 
 沈黙。
 何も音を発する物はない。
聞こえてくるのは呼吸音と心臓が血液を送り出す音くらいだ。
当たり前だ。俺は、半鬼。結羽海さんに至っては何者かすらわからない存在と分かったのだから。
宇城丞の衝撃は大きすぎるだろう。宵に関してもだ。
怪奇現象解決部に怪奇的な人間がいるのだから。
「・・・・・・どんと来いですよ。そんなのどんと来いですよ! 私は平穏で平凡な毎日が嫌いなんです。何の当たり障りのないことを言って、特に何もなく過ごして・・・・・・当たり前の人間関係を築いて・・・・・・そんなつまんない人生が嫌なんですよ。そしたら自分から行動を起こすしかないじゃないですか。誰に何を言われようが、何されようが・・・・・・私は、変人ですからね、怪奇現象どんと来いです。それに覚悟なんて何年も前から出来てますよ」
 宇城丞は怒涛の勢いで捲し立てた。
 やはり変人にはかなわない。根っからの変人だな、こいつは。
 でも、なんか安心した。何でかは分からないけどね。
「くくく、合格だよ、宇城丞ちゃん。宇城丞ちゃんの考え以前に、この話を聞いてすぐに信じるところがね。大抵の人間は『嘘だ』『何言ってるの?』と言って馬鹿にするものだよ。宇城丞ちゃんは、そんな真実が見えていない・・・・・・いや、見ようとしていない馬鹿共とは違う。大丈夫だ、宇城丞ちゃん。私がいるかぎり君をこんな目には合わせやしないからね。燈籠くんにもほしいよ、宇城丞精神が」
結羽海さんは、実に愉快そうに言った。
俺は、結羽海さんがいくら変人を俺に求めてこようが、俺は変人になる気はない。
一刻も早くこの身体からおさらばして、結羽海さんに借りを返して普通の日常に戻りたいのだからな。
「はい、ありがとうございます! 結羽海さんの身体探しも手伝うので任せてください!」
「くくく、実に頼りになるよ、宇城丞ちゃん」