燈籠くんの怪奇的高校生活(仮称)
次の日、俺と宵は早速部員探しに励んでいた・・・・・・訳ではない。
部員探しと言っても大抵の人は入学時にどこの部活に入るか決めているだろう。
もし、どこの部活に入るか決めずに入学したとしても大抵は高校から新しいスポーツに励むか文化部だ。怪奇現象解決部に入部したい物好きなんていない。
ましてやあの変人の元で高校生活を送りたいなんて人は皆無だろう。
そこまで熟考という熟考を重ね、俺はある一つの結論を導き出した。
「よし! 宵、怪奇お現象が好きそうな人を探そう!」
「見て分かるの?」
「分からないから手当たり次第ってやつだよ。一人一人に怪奇現象は好きですかって聞いていけばいつかは辿り着けるはずだろ?」
「でも、絶対に避けられるよ?」
「・・・・・・ですよね」
だいたいさ、怪奇現象が好きな人を探すなんてのが無茶なんだよな。
でも愛好会に成り下がると活動費は自費。これだけは避けなければならない。
移動費等が自腹ってのだけは、避けなければならない。
学生の財布はそんな余裕があるほど潤ってないのだ。
ましてや、この三櫻高校はアルバイト禁止。余程の事情がない限り学校側から許可がおりないのだ。
もし、内緒でアルバイトをしているのが見つかってしまったら有無を言わさずに停学だ。
怪奇現象解決の為に停学なんてなりたくない。
何よりそんな度胸が俺には━━ない。
作品名:燈籠くんの怪奇的高校生活(仮称) 作家名:たし