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燈籠くんの怪奇的高校生活(仮称)

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「怪奇現象解決部とは言っているが、この部活動はオカルト、超常現象、都市
伝説、伝承、全てが対照となるんだ。摩訶不思議な出来事を全て追うんだ。判る
かい? 『追う』んだよ」 あぁ、そうなると選択肢も大分限られてくるな。
「起こったことを追う。伝えられてきたことを追う。起こる可能性を追う。こ
れには全て移動費や宿泊費だっと伴ってくるんだ。それにこれは慈善活動なんか
じゃない、それなりの対価をもらわないとね」
「なるほどね」
対価ってのが気になるけどここはスルーするのが得策だ。
全くもって話が進まなくなる。
「それに私達には進入禁止区間侵入や深夜徘徊、不法侵入など犯罪すれすれの
行動がつきまとう。学校側は危険を省みずに行動する私達を評価すべきだよ」
結羽海さんは、あたかも当然のように言った。
二度言いたい。
あたかも当然のように言ったのだ。
それこそ1+1=2ですと言わんばかりに。
これはスルー出来ない……スルー……
「スルー出来ねぇよ!!犯罪すれすれじゃなくて犯罪だよそれは!!」
息も絶え絶え声高らかに突っ込みを入れた。
隣の宵は、俺の声にびっくりしたのか結羽海さんの言葉にびっくりしたのか、どちらとも取れる表情をしていた。
宵は、とても純粋で汚れをしらない THE 美少女 なんだから悪の道に染めないでほしい。
……でも、同じ部活をしていたいから我慢するしかないか。
「ははは、冗談だよ、冗談。一介の女子高生である私に国家と戦う術はないさ」
俺の突っ込みに対し、結羽海さんは満足そうに言った。
多分、冗談というのが冗談だろう。
「もう何でもいいよ、結羽海さん。一先ずあと一人部員を見つけなきゃいけないんだろ?」
「その通りだよ、海人くん。話が早くて助かるよ」
そして結羽海さんは、組んでいた足を組み直し俺たちに言った。
「君たち二人の初仕事は、怪奇現象解決でもなく、調査でもなく、囮役でもない、ただの━━部員探しだよ。詳しくは部員を見つけてからだ」
いや、そう命じた。