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聖霊学園

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「あんだと?」
「誠也は相変わらず子供だね」
背後から、クスリと笑う声がした。
「グループ長!?」
黒い髪に、銀と黒のオッドアイ。その声は、紛れもなく聖霊学園上級クラス第4斑グループ長、魅幻美園のそれだった。
「んだよ美園、いたのかよ」
「何だい誠也。僕がいちゃ悪いかい?」
ニッコリと笑い、優しい声音で誠也に反論する美園。そんな二人の様子に、瑠璃は一つの疑問を持った。
「誠也とグループ長って、そんなに仲良かったの?僕知らなかったんだけど」
「ん?知らなかったのか?俺とこいつは幼なじみだぞ。中等部にももう一人いるんだけどな」
「誠也、君ね。幼なじみと言えど年上に対して『こいつ』はないんじゃないかな」
誠也は高等部2年、美園は高等部3年だ。美園の言動は理に叶っている。
「この学園で年上も年下も関係ねぇよ。幼なじみ相手に他人行儀なんて気持ち悪いね」
「君は『親しき仲にも礼儀あり』ってことわざを知らないのかい?相変わらず子供だね」
「『赤信号、みんなで渡れば怖くない』ってことわざなら知ってるぜ」
「それはことわざじゃなくて標語だよ。ほんと馬鹿だね」
「ヒョウゴって何だよ。兵庫県のことか?」
「……馬鹿の君には難しい単語だったみたいだね」
「何だよさっきから。馬鹿馬鹿って馬鹿の一つ覚えみたいに」
「君が『馬鹿の一つ覚え』なんて高度な言葉知ってたんだ」
「馬鹿にしやがって」
「“力”で勝負するかい?僕よりランクが10個も下の君が僕に勝てるはずないけど」
「いいぜ!やってやるよ!あとで後悔しても知らねぇからな!」
やる気満々な幼なじみを前に、美園をため息をついた。
「そんなことしてる暇ないんだろ?挑発に乗りやすいところも変わらないなんてほんと子供だな」
「数ヶ月でそう簡単に変わるか!んだよ自分は何年も対人恐怖症直んねぇくせに」
「仕方ないだろ?幼い頃のトラウマが原因なんだから」
「お前はいつもトラウマトラウマって……。言い訳してる暇あったら少しは改善する努力しろよな」
「君も僕のこと言う前に少しは努力したら?そんな余裕ない性格だったらそのうち誰かに“聖火”の称号奪われちゃうよ?」
二つ名は、何百人もいる学園の生徒の中で、20人だけが持っているものだ。此処にいる6人は、皆その20人の内に入っている。
「んな間抜けなことしねぇよ」
聖霊学園は初等部から高等部まであり、それぞれが上級クラス、中級クラス、下級クラスの3つに分かれている。各クラスごとに一人一人、部に関わらずランクが付けられる。例えば瑠璃は上級クラス第3位だ。
「その『間抜けなこと』の先駆けにならないといいけどね」
クラスやランクは“力”そのものの強力さ、そして本人による“力”の制御力などによって変わってくる。
「絶っ対ならねぇよ!!」
そして、上級クラス第1位から第20位までの20人に二つ名が与えられるのだ。
作品名:聖霊学園 作家名:秀介。