小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

天女の血

INDEX|69ページ/146ページ|

次のページ前のページ
 

不愉快な想像をした一方で、頭は冷静にも働く。
都築の推測とは逆なのではないか。
特殊な能力の者を捕らえて研究材料にして人間兵器を作ろうとしているのではなくて。
人を研究材料にして特殊な能力を持つ者を作り出したが、その者が逃げてしまったから、捕らえようとしている。
もしそうであるなら。
建吾の、あの男は鬼の一族から出たのではない、という説はドンピシャリだったということになる。
しかし。
それなら、なぜ姿が変化する?
力の強さや動く速さが人の域を離れて鬼ぐらいのレベルに達することは武器としては重要だろうが、鬼のような姿に変化する必要がどこにある?
ピースが足りない。
そんな気がする。
ピースが足りなくてジグソーパズルの絵が完成しない。
釈然としない。
十兵衛はつい険しい表情になる。
黙りこんで、考える。
「それにしても、コウヘイキが正面からやってくるとはねえ」
都築はゆっくりと言った。
その顔には笑みが浮かんでいる。
「眼をつけられてしまっているのかな」
ヤバすぎる組織。
そんなものに眼をつけられたくはない。
「まあ、直接ぶつかったことはないけど、間接的には何度かあったし」
けれども、都築はあいかわらず微笑んでいる。
「それに、君は目立つからねえ、不敗の獅子」
不敗の獅子、とは十兵衛の二つ名だ。
強いと恐れられている者たちをたったひとりで倒したりしているうちに、そう呼ばれるようになっていた。
もちろん十兵衛が望んだわけではない。
むしろ、そう呼ばれると、むずがゆい気分になる。
「俺はただの大学生だ」
「ただの大学生にしては強すぎる」
「じゃあ」
ふと、美鳥の言ったことを思い出した。
それをそのまま口にする。
「ただのケンカバカだ」
ニヤリと笑う。
すると、都築は噴きだした。
「ああ、たしかにそのとおりだ。ぴったりだな、その表現」
おかしくてたまらないらしい。
ケンカバカと表現したのは美鳥だが、それについては都築に教えないことにする。
作品名:天女の血 作家名:hujio