【勾玉遊戯】inside
そしてさらに不思議なことに 妹の声は何日経っても変わらず元気で、蔵の中から、誰かに閉じ込められたのではないから心配しなくていい、と云ったのだ。
――此から出るのは嫌。
――友達が居て一緒に遊んでいるの。
――それで楽しいの。
それを聞いて家族は戦慄したという。
何百年も前から封印されたままのはずの蔵の中に、誰が居るというのか。
いったい誰が一緒にいるというのか。
そんな筈は――。
そんな筈はない……。
いや――居る。
――『クラヒメ』様だ――。
作品名:【勾玉遊戯】inside 作家名:さかきち@万恒河沙