【勾玉遊戯】inside
「罪に問われることよりも、罪を贖う術がない方が、その者にとって最も重い刑になることもあるんですよ。それがまして、子供を殺した親ならば……ね」
「……」
「私なら、彼等に無罪を勝ち取れる。けれど無罪は、彼等をなお、責め苛むことになるでしょう」
優麻は、ひらひらと手を振って、店を出ていった。
「じゃあ、オレもここで」
「なあ、柚真人――?」
立ち上がりかけた柚真人を、飛鳥は制した。知らなくてもいいことがあるのだろうが、それでもどうしても聞きたいことがあった。
「じゃあ、三条たちが聞いたっていう、その、『声』は……何なんだよ? 本当は。幻聴なのか?」
やはり――柚真人は、静かにひそりと笑っただけで答えなかった。
作品名:【勾玉遊戯】inside 作家名:さかきち@万恒河沙