【勾玉遊戯】inside
こいつのこの特別仕様の姿形は他人を惹きつけ魅了するために備わってるんじゃあない。威迫するためにこそある才能だ。
軽く両手をあげたポーズで降参を示すと、飛鳥は言及を止めた。
飛鳥には――柚真人を止めることはできなかった。
彼は、同い年の従兄弟である前に、幼馴染みである前に、皇一族の現当主なのだ。
皇柚真人が、その立場から物を言うとき、橘飛鳥は、彼に逆らうことを許されない。
それに――この人間離れした気色悪い美貌をもつ幼馴染みの、鋭い視線が、飛鳥は怖かったのである。
作品名:【勾玉遊戯】inside 作家名:さかきち@万恒河沙