ガチサツ!!
「1人で加東に突っ込んで行ってな…。
まぁ、オマエにはどうでもいい話だろうけどな。」
桜井は、秋銅高校玄関の近くにある小さな階段に腰掛けた。難しい顔をしながら、田村を見た。そして、ずっと閉じていた口を開けた。
「なんで、俺のこと…助けたんだ?」
「俺は、もう加東にやられるやつは見たくねぇんだよ。
それに、オマエの学生証見せられたとき、E組だったし。まさかと思って見に行ったけど…本当に喧嘩売ってるとは思ってなかったぜ。ハハハ」
田村が声をだして笑った。それを見た桜井も、少し笑った。
「なぁ…さっきオマエは誰とも組まないって言ったけど、俺はオマエなら加東をぶっ倒せると思うんだ。だから…
…やっぱ無理か??」
桜井は立ち上がり歩きだした。田村の前で一瞬止まり、向き合ったが、横を通り過ぎて行った。
「…俺は、誰とも組まねぇんだよ」