ガチサツ!!
桜井は「ああ、オマエか」と軽く言うと、今立ち上がった男の前に行った。その男とは、金髪の田村と並んだときよりも身長差があった。
「俺、このクラス転校してきた桜井。早速で悪いけど…タイマン、しようぜ」
いきなりの言葉に、教室にいる全員が立ち上がり「いきなりなんだテメェ」「ふざけてんじゃねぇぞ」と色々な言葉で桜井に罵声を浴びせた。桜井は動じる様子は無かった。
最初に立ち上がった男が拍手の様に手を何度も叩くと、教室は若干静かになった。
「あのよォ…俺のことナメてんのか?わかるよなァ?テメェみてぇなチビが俺に敵うわけねぇ・ってことぐらいよォ」
「うっせぇな…」
桜井は男の目を睨みつけ、殴りかかろうと前に足を出した瞬間、後ろから誰かに掴まれ、ひょいっと軽く肩にかつがれ、教室から引っ張り出された。
その人は「すいませんでした!!」と言うと桜井をかついだまま、すぐさま走って行った。