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CROSS 第8話 『758革命』

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第3章 混沌な宴



 そのとき、ブリッジの天井から降りてきているディスプレイ画面でやっていたアニメが急に中断し、臨時ニュースに切り替わった。もちろん、内容は、山口たちが今やっていることについてだった。ただ、『CROSS』が犯行グループだとは伝えておらず、どこかの過激派が暴れているということになっていた。
「まだ気づいていないのか!?」
山口は呆れながら臨時ニュースを見ていた。しかし、その臨時ニュースはやがて途切れ、放送休止の画面になった。CROSSが、電波塔であるスカイツリーを占拠したのだ。

   プルル!!! プルル!!!

 そのとき、山口のポケットの中のケータイが鳴った。山口は無言でケータイを開く。ケータイのディスプレイ画面に映し出されている発信者の名前を見て、山口は笑った……。そして、通話を開始する。

「あなたたちは何をやっているの?」

静かだが怒気のこもった声が山口の耳に聞こえてきた。
「ちょっと革命をね。村山ちゃんは何やってんの? 「一人遊び」か? ハハハッ!!!」
山口はそう笑いながら言うとブランデーをぐいっと飲んだ。佐世保が山口のほうを見て苦笑いした……。電話の相手は村山という女性で、『CROSS』の隊長の座をめぐって、山口に敗れた人物だった……。
「あなたたちがやってるのは、殺戮と破壊よ!!!」
村山は怒鳴った。あまりの大声に山口は電話口から耳を離した。
「だから?」{きれいごとでも並べる気か?}
山口は全く悪びれた様子もなくそう言い放った……。村山は呆気に取られた様子だった……。そんな村山に、山口は話を続ける。
「早く通報したらどうだ? 警察にでもアメリカにでも、おまえのありがたい推薦者様がいる幻想共和国の博麗神社とかな!!! もしかしたら、紅白の巫女さんや白黒の魔女さんが助けにきてくれるかもしれないぞ? まぁ、オレのバックには紅魔館がついてるけどな!!!」
山口はイヤミったらしくそう言った。言い終わった後の山口は、ドヤ顔だった……。
「……いくらもらったのよ?」
村山が静かに聞く。今にも泣き出しそうな口調だった。
「だ、誰に?」{何泣いてんの、コイツ?}
村山が泣きだしそうになっているのに気づいた山口は、気まずそうに聞き返した。
「幻想共和国のレミリア・スカーレットさんによ」
「……それは内緒。それに金だけでやってるわけじゃないしな……」
「…………」
「もう切るぞ。おまえは早くどこかに亡命しろよ」
山口はそう言うと電話を切った。ケータイをポケットにしまうと、やれやれとドリンクメーカーのほうへ向かった……。
「念のため、紅魔館に連絡しておいたほうが良いのでは?」
山口の後ろでヘーゲルが言う。
「スカーレットさんの妹様が応援に来たりしたらどうする? オレたちまで巻きぞえだ。終わってから報告すればいいんだよ」
山口はそう言うと、ドリンクメーカーからブランデーを取り出した……。