CROSS 第8話 『758革命』
第2章 758革命勃発
翌朝の午前8時前、特務艦は形式だけのパトロール航行を終え、また東京に向かって飛んでいた。
「隊長、もうすぐ予定の時刻です!!! 起きてください!!!」
山口は指揮官席に座ったまま寝ていた。そんな山口を、ガリアはカフェオレを飲みながら操縦席から怒鳴った。ガリアのすぐ横では、ウィルが通信装置に突っ伏して寝ていた。佐世保も寝ており、ブリッジで起きているのはガリアと管制席にいるヘーゲルだけだった……。
ガリアはヘーゲルと顔を見合わせ、やれやれとつぶやくと、ブリッジの天井からディスプレイ画面を降ろし、その画面にテレビを大音量で映した……。天気予報をやっていた。今日の東京の天気は快晴らしい。
その大音量の天気予報で、寝ていた山口たちは起きだした。
「ああ、もう朝か……」
「しっかりしてくださいよ!!! あと5分ですよ!!!」
「おお、そうか」
山口はそう言うと、バッジに触れた。
「えーと、全員に伝える」
山口からの通信に、東京中を歩いている隊員たちが足を止めた。スクランブル交差点の真ん中を歩いていた隊員も足を止め、近くの人がじゃまそうに隊員を避けて歩いていった。
『もうすぐ任務開始だ。 いいか? できるだけ民間人に被害を出すな。あと、皇居などの皇室関連の施設、神社などの宗教施設や歴史施設、そして、小学校などの教育施設は攻撃するな。後が面倒だ』
そこで山口は、息を吸い込んだ。ディスプレイに映るテレビは、朝の8時になったことを告げた。
『よし、『758革命』開始だ!!!』
山口が『758革命』という任務の開始を告げた瞬間、東京中の隊員たちは革命を開始した……。彼らが手にしている武器は、SF映画に出てくるようなレーザーライフルだった。未来的な見た目をしており、そのせいか、隊員のすぐ近くにいた人も、それが武器だとは思はなかったようだ……。隊員は男だけでなく女もおり、全員若かった。
新宿にいた隊員たちが空に向けてレーザー銃を乱射すると、周りにいた人々は頭を一斉に下げ、その場から全力で逃げ出した……。撃ったレーザー銃のレーザー弾のうちの1発が、高層ビルのオフィスの窓のすぐ近くにいたOLを、窓ガラスごとこっぱみじんにぶっ飛ばした……。
銃声と騒ぎを聞きつけた警察官が、歩道の向こうから逃げる人々をかき分けながら乱射する隊員に向かって走ってきた。警察官たちは、腰から拳銃を取り出し始めていた。
隊員たちは乱射を止め、今度は警察官に撃った。レーザー弾は、警察官を一瞬で粉に変えた。隊員たちは、間近で見たレーザー銃の威力に驚いた後、分隊ごとに集合した。
そして、隊員たちは分隊ごとに分かれて、近くの高層ビルの中に乱射しながら飛びこんでいった。
作品名:CROSS 第8話 『758革命』 作家名:やまさん