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CROSS 第8話 『758革命』

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 ブリッジのディスプレイ画面には、艦砲の直撃した場所がズームされていた。黒焦げになった死体がいくつも転がっている……。爆風に勢いよく飛ばされた人は、ビルのコンクリート製の壁などに激突し、脳や内蔵を撒き散らして潰れていた……。

「1発にしといて良かった。しかし、すごい威力だな!」
山口は、上空に浮かんでいる小さなキノコ雲に驚いていた。
「強化ウラニウム弾です。小型の核兵器である核砲弾ですね」
ヘーゲルが静かに言う。
「やっぱり、とどめにもう1発撃て。もう1回見たいしな」
「……了解しました」
特務艦からまた核砲弾が発射され、同じ位置にまたキノコ雲が浮かび上がる。死体やまだ生きていた人々が、焼かれたり飛んだりする……。山口はそれを満足そうに眺めていた……。
 そのとき、艦のシールドに小型ミサイルが命中した。その爆発音の後、艦の上を自衛隊の戦闘機が通過していった。
「皇居の上空に移動しろ! そうすりゃ、ウザいことはしてこないと思うからな」
「了解です」



 上社伏見が率いる部隊は、警視庁庁舎内に突入していた。先ほどの爆発による延焼が発生しているため、警察側は消火作業に追われており、待ち伏せ攻撃どころではなかった。そのため、上社たちは難なく突入することができた。
 それでも警察側は、自分たちなりの職務を遂行するために、上社たちに反撃をくわえる。だが、通信指令センターが壊滅したせいか、警察側の指揮系統がマヒしつつあり、CROSSに有利な状況となっていた……。
 そんな中、上社に向かって1人のSAT隊員が大きな盾を持って突撃してきた。声を上げていることからやけくそになっているのがわかった……。上社は、大きな盾にレーザー弾を連続して命中させた。すると、レーザー弾の高熱で、盾はどんどん溶けていく。突撃してきたSAT隊員は、溶けた盾を横に放り投げた。
「このガキ!!!」
そのSAT隊員は、怒りで顔が真っ赤だった。ただ、そんなSAT隊員に、別のCROSS隊員が撃ったレーザー弾が当たり、そのSAT隊員はこっぱみじんになった……。
「くらえ!!!」
焼け焦げた机の影から、別のSAT隊員が立ち上がり、上社にサブマシンガンを向けた。上社は思わず目をつむり、最期を覚悟したが、何も起きないことを不思議に思った上社が目を開けると……。
 上社に銃を向けていた隊員が、首から血を噴き出させながらうつ伏せに倒れていた。首の後ろにコンバットナイフが突き刺さっている……。さらに上社が目を上げてみると、そこには佐世保がいた……。元の服装に戻っていた彼女は微笑みながら、倒れているSAT隊員の首からナイフを引き抜いた……。



 同時刻、国会議事堂などの政府中枢部の攻略を担当しているCROSSの第1中隊は、包囲を維持するための隊員を残して、国会議事堂内に突入した。制止する警備員を撃破しながら、衆議院議事堂と参議院議事堂との二手に分かれ、走っていく。廊下に敷き詰められている赤い絨毯には、隊員たちの軍靴についていた血による赤い足跡が残っていた……。

 隊員たちは、衆議院と参議院にほぼ同時に突入した。国会議員たちがたくさんおり、突入してきた隊員たちを見て、驚き、嘆き、慌てふためき、怒り、呆然としていたりした……。逃げようとした議員もいたが、全ての出入り口についている隊員たちに、元の席に戻された。