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CROSS 第8話 『758革命』

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『こちら警視庁舎担当の部隊です!!! 部隊長がやられました!!!』

 警視庁の攻略を担当する部隊の隊員から、悲痛の声が届いた。
「なるほど。それで、突入は無理そうなのか?」
ウィルは、画面上のスケジュール表を見ながら言った。警視庁の攻略が、予定よりも遅れている。
『屋上に複数のスナイパーがいる上に、1階で待ち伏せされているようなので、このまま突入することは困難です!』
その隊員の声から、やる気の無さが感じられるわけではなかったので、ウィルはどうしたものかと思った。
「ウィル。『エアリアル』に航空支援をさせると伝えろ」
口にチョコを放りこみながら、通信を聞いていた山口が言う。
「航空兵器を投入するから、それまで耐えてくれ!!!」
『了解! 代わりのここの部隊長は誰ですか?』
ウィルは少し考えてから、
「えーと、君の名前は?」
『上社伏見(上社兄弟の兄のほう)です!』
「よーし、上社。君がそこの部隊長だ! いいですよね、山口さん?」
「やる気があるなら、誰でも構わないぞ!」
『わかりました! では我々は、航空兵器の支援の後、突入します!』
「気をつけろよ!」
そして、通信は終わった。
「今すぐ『エアリアル』を出撃させろ! 最初の目標は警視庁庁舎の屋上の芋砂さんたちだ」
山口がヘーゲルに言った。
「了解」
「隊長、私も行っていい?」
佐世保が立ち上がって言う。
「まぁ、代わりがいるからいいが」
「やった!」
佐世保はそう言うと、近くのスイッチを押して、ブリッジから出ていった。その入れかわりに、代わりの隊員がセンサー席に着く。



 山口たちがいる特務艦は東京の上空に堂々と現れた。既にあちこちで黒煙が上がっており、絶え間なく銃声が聞こえる。
 特務艦の後部にあるハッチが開き、そこから『エアリアル』というロボットの航空兵器が現れた。機体にはCROSSと印されていた。そのエアリアルの中には佐世保がいた。佐世保を乗せたエアリアルは、警視庁庁舎に向かって一直線に飛んでいった。

 警視庁庁舎の屋上では、狙撃手たちが向かいの法務省庁舎に向かって撃ちまくっていた。
 そこにエアリアルが、まるでハイブリッド車のような静かな音とともに現れた。狙撃手たちは、最初はこれは何だと呆然とエアリアルを見ていたが、機体に印されているCROSSの文字を表情を一変させ、狙撃銃をエアリアルに向かって撃ちまくった。
 しかし、銃弾はいともかんたんに跳ね返されていた。そして、エアリアルの機関砲が向けられると、狙撃手たちは逃げ出した。

   チュンチュンチュンチュンチュン!!!!!!

 エアリアルの機関砲から発射された太いレーザー弾は、狙撃手と屋上をボロボロに破壊していった。
 そして、屋上は無人となった……。