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全速力で逃げろ

恐れをなして駆けていく展開が


方向をぐるりと変え出した


牛密に数えた心拍が


心電図となって脳裏に瞬くのだ


ぼくはそっと君の目を覆うのだが


君の目はとてもよいから


なんでも透かして見てしまう


だからそんなにも


痛々しく生傷があるのだろう？


ぼくが君を迎えにいくころには


満ち潮はとうに過ぎていて


君は帰って来ないだろう


二度と帰って


来ないだろう


ぼくはそれが


本当に怖いのだ


だから君の目を


ゆっくりと潰すしかないのだ


例え君に恨まれようと


君をこの世にしばりつけるには


この方法しかないのだ


無様にも。