先生の特別
先生は、毎日メールをくれる。
『今、何してる?』
『今日も疲れたぁ!』
『好きだよ』
『愛してる…』
こんなに愛のあるメールは初めてだよ、先生。
毎日が楽しくて、新しい発見で、充実している。
廊下ですれ違う時、
片思いしていたころとは全然違うキモチ。
あ、私。先生の彼女なんだ。
って思う。
「日野!」
なんて呼ばれる時も、なんだか幸せを感じる。
先生と生徒の恋って、こんなに楽しいっけ?
そんな風にも感じていた。
毎日先生ばかり目で追っているわたし。
幸せが、あふれていた。
「日野、放課後日誌の書き直し。よって、教室に残れ」
先生は私の頭を日誌でポンっと叩く。
「はぁい」
目的は分かっている。
毎日ではないが、先生とこうやって2人きりになる。
先生ってば口が上手い。
口から次々と嘘がでる。
嘘はよくないけど…
愛のある嘘はokかな!
「ひーの!」
先生は誰もいないことを確認して、ドアを閉めた。
そして、私の横に来る。
「どうしたの?そんなにくっついてきて…」
私は悪戯っぽく、先生のほうを見た。
先生はニヤッと笑って、
「日野と一緒に居たいからぁ!」
なんて、子どもっぽく言う。
後ろから先生が抱きついてきた。
ぎゅうって…。
「せーんせい!」
「日野ぉ!」
先生は、そう言うと、私の顔に近づく。
そして、
唇に、やわらかい感触がした。
顔が、近いよ先生。
溶けそうなキス。
甘い時間。
「初めて…だった」
私は先生にそういう。
「ありがと…」
先生はそう言うと、またそっとキスをした。
「先生、好き…」
「俺も…」
ずっとずっと、キスをした。