「 俺等の青春は LEGND になった 」 1
俺はタバコを咥え、火を点けた。
「ゴホッゴホッ」
なんだこの味。
クソまずいぞ。
よくこんな物吸えるなコイツ。
「どうだ、ウマいだろう?」
バカ言えこの野郎。
俺は今にもコイツに、飛び掛かろうとしたが。
誰かに見られているような、嫌な感じがして、やめた。
「……………?」
「んっ、どうした?」
言うべきか、言わないか。
俺の気のせいかもしれない、些細なことを。
「いや、なんでもない。」
コイツから貰ったタバコを地面に落とし、靴で力強く踏んだ。
「ただいまぁ~~と。」
誰もいないとわかってはいるが、どうしても言ってしまうのは何故だろう?
玄関には靴が三足ある。一人暮らしの俺には十分だ。
この家には特に思い出はない。
家族もいない俺に、思い出なんかない。
まぁ隣のデカイ家には、嫌というほど思い出はあるが。
「………………」
俺は決して無口なんじゃない、こんな誰もいないところで喋ったら、完全な独り言だ。
リビングを無視して、寝室に急ぐ俺。
とにかく今日は疲れたから、早く寝たい。シャワーなんて明日の朝でいいか。
ガチャ。
寝室のドアを開け、バッグを投げ捨て制服を脱いだ。
電気も付けづに俺はベットにうつぶせに倒れこんだ、自分で思うよりも体は限界だったらしい、今まで感じた事のない重さ……………ん?
俺は思った、いくら疲れてるかってこの重さはなくね。
でも俺は自分で言うのもなんだが、かなりポジティブだ。こんなことで憂鬱になんかならない。
カチン。
んっ?
どうしてだろう、ほとんど使わない寝室のドアのカギが閉まる音がした。
………………そうか、きっと気のせいだな。
ガシャン。
「??!!!」
えっ?
今度はベットが軋む音?
どうしてそんな音が今なったんだよ。
そしてなんでさらに俺の身体が重くなるんだろう?
考えろ、考えるんだ俺。
家には俺だけでペットとかも飼ってない、ベットの周りには落ちてきそうな物なんてないはずだ。
もしかして強盗…………はないな、狙うんだったら隣の麻奈美の家だろうし。
結論からいうと、今俺の体重が著しく重くなったのって。
「大地。」
「????!!!!」
俺の耳元で生暖かい風と共に囁かれたこの声は。
俺は、その瞬間自分の人生(十五年と九ヶ月)が走馬灯のように過ぎ去ったように感じ
た。
ヤバい、殺される。
俺はそう咄嗟に感じてベットから飛び出した。
ガチャガチャ――
ドアが閉まっている?
どうしてなんでだ?
はっ、そういえばさっきドアを閉める音がしたっけ。
「無駄よ大地君、この部屋はもう…………包囲してあるは。」
ガクガクガクガクガクガク
俺はドアに頭をぶつけて、震え出した。
もしもいるなら神様、この俺を助けて下さい。
「神様なんて…………いないわよ。」
読唇術だと??!!
「大地君には、生き地獄を見てもらうは。」
「ぎゃぁー~~」
断末魔ともに、女たちの笑い声がした。
第一話 「普通なんて、クソだね。」 完
作品名:「 俺等の青春は LEGND になった 」 1 作家名:東からの訪問者