小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
東からの訪問者
東からの訪問者
novelistID. 19056
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

「 俺等の青春は LEGND になった 」 1

INDEX|1ページ/6ページ|

次のページ
 
普通だ。

この世界は普通になってしまった。

つまらない普通になってしまったのだ。

何十年か前までは、世界は普通じゃなかった。

戦争やらデモで混乱、恐怖で満ちていた。

だけど今は違う、世界は普通になってしまった。

夕方のニュースはいつもくだらない内容の事しか言わない、やれ有名人の結婚だスキャンダルだの。

殺人事件や強盗事件、政治家のどうでもいい会議だのは一切報道していない。

それが本当に起こってないからか、はたまた本当は起こってるが、報道を規制されているのかは疑問である。

いつからだったろうな、俺等がこの普通に不満をもったのは?

幼稚園の時は何も考えずに過ごしてた………と思う、正直覚えてない。

小学校ではもう、この普通な日常に飽きていたな。中学校………とにかくクソだった。

中学校は卒業まで地獄だった。

クラスの連中は毎日同じ事の繰り返しをしていた、同じ様な内容の話、同じ様な行動の繰
り返し。

何が楽しいかわからない、わからなかった。

バカみたいな事でケンカを……あれは、ケンカではなく口論らしいな、俺にとっては茶番
劇以外の何ものでもない。

あの三年間は本当にクソだった。

アイツ等………もといクラスのクソ…………もとい同級生は、普通だ。

今さらだが、あえて言う。

別に悪い訳じゃない、この世界では普通の事だ。

だが俺は普通が嫌いだ、大嫌いだ。

だってつまらないじゃないか、理由は簡単明確でそれだけだ。

中学二年までは期待していた。

俺みたいな普通じゃない奴等の存在を、アイツ等みたいに普通じゃない者の存在を。

でも諦めた、諦めるしかなかった。

俺は普通じゃないから、凡人とは考えが違った。

普通じゃない奴なんて、俺以外いない事に気づいた、気づかされた、嫌というほど。

だから高校になっても期待しなかった。

期待しなければ、その分ガッカリもしない。つまり期待していなかったから、その分驚きもデカかった。

高校生になった俺。

永遠とも覚えた地獄の中学校生活が終わり、高校生になった。

だからと言って期待はしない、これはさっきも言ったか。

高校初日の登校。普通は家族の誰か、まぁ普通は母親だろうな。

だが俺は普通じゃない、俺には家族と言える人がいない。

親はいるのだろうが、会った事がない。だから俺は一人で登校している、でも決して俺は親を怨んだりしない、過去の事を姑みたいにネチネチとは引き面ない。

そんなことしても無駄だと知っているから。

「お~~~~~い!!!!、待ってよぉ~~~」

まさか、主人公の俺等を差し置いて、コイツが本作最初に喋るとは。

俺の制作ミスだ。

タタタタタタタ~~と、明らかに新品の靴を慣れない感じで履く、アイツの正は…………次回に続く、訳はなく。

木下 麻奈美、それが彼女の名前だ。

関係は幼なじみ…………なだけだ、決して彼氏彼女の関係ではない。

まだここは学校から遠いから、こんなにフレンドリーだがこれが学校になると、完全無視
だぜ。

まぁ仕方ないと言えば、仕方ない事なのだ。俺は世間で言う、不良やドキュン、非行少年
とからしい。

そんな普通とかけ離れている自分の傍にいるって?

コイツはまぁ~~普通じゃないんだろうな人。

「ちょっとしか話せないんだから、一緒に行こうよ。」

コイツは中学校時代、生徒会を三年間やっていて会長もやっていた。

そんな人が俺なんかと仲良くしてたら、示しがつかない。だから無視する。

「そうよ大地君。」

麻奈美のお母さんも、麻奈美の後から走って来た。

入学式だから、おそらくあれは一張羅だろうな。

金持ちなのに、車を使わずに歩いて来るなんて、変な家族だな。

「やっと高校生になったね。」

「あぁやっとだな。」

コイツは俺が、中学校生活に不満を持っていた事を知っている。

例えあんな事があったとしても………ね。

「友達できるといいね。」

嫌味にしか聞こえないのは、俺だけかな?

「余計なお世話だよバカ。」

アハハ~~と、笑顔を見せる麻奈美。

「なんでこの辺って、坂が多いいんだろうね?」

…………確かにそうだな。

でも聞かれなければ、気づかないレベルだ。

**県**市夢見ヶ原町。

それがこの話の舞台だ。

たいしてデカくない、だからと言って地味でもない、この普通な場所だ。

夢見ヶ原高校が俺とコイツの通う学校だ。

普通な奴なら普通に合格する学校だ。正直俺はギリギリだった。

まぁ高校なんて行きたくなかったが、この親子がどうしても言うから受けた。

この親子は、一度話したら止まらない、でもそれは永遠ではない。

高校が一キロ圏内になった、だから必然的に別れの時間がきた。

別れ?

どうせ夜には会う。

「じゃあ夜にまた会おうね。」

「あぁわかってるよ。」

嫌だと言っても、あんた等は来るだろうしな。

実際この間も、勝手に家に入ってきたし。

ていうかどうやって家の、カギを手に入れたのだ?

麻奈美とその母が先に行き、俺は一人で歩いていた。

ここら辺になって来ると、同じ征服を着た奴等を見かける。

平和という名の普通に染まった、クソ共が歩いてる。

また地獄の日々が続くのかと思うと辛いな。

いくら期待していないとはいえ、これはホントに辛い。

君たちにはわかんないだろうな、この気持ち………えっ、別にわかりたくない………。

そうこうしている間に、夢見ヶ原高校が見えた。

デカくもなく、小さくもない高校。普通にもほどがあるな。

だが俺の目にはそんな普通な高校よりも、別のに目が行っていた。

学校の門、続にいう正門だ。

この学校のクソ生徒が、登校する為にある正門。

その正門の柱に腰掛ける一人の、おそらく俺と同じ一年生だろうな。その男は確実に浮い
ていた。

男はとにかく、異様な存在感を放っていた。

いや……あれは……。タバコの煙?

他の生徒は無視をしていた、それが普通な対応だ。

普通な対応……そう、それが普通の人間の対応だ、だがお生憎様、俺は普通じゃない。

タバコを吸う男の前に立つ男がいた、それは紛れもない、この俺だった。

男は真っ直ぐ俺を見る、ガンを飛ばしてるが正しいか。

それはそうだ、他の生徒は無視しているのにたった一人、俺だけが自分の前に立つのだから。


「…………………」

「……………」

しばらくの間、沈黙という名の不思議な時間が続いた。

他の生徒は他人を装って、こちらをチラチラと見てくる。ちとウザいな。

男はこちらにガンを飛ばしながら、立ち上がった。

そして男は言った。

「やっと見つけたぜ、同士という名の仲間を。このクサッた普通の世界を変える為の勇者を。」

この言葉から俺の生活は変わった。

そしてこの出会いから俺等のLGEND、すなわち伝説という名の、青春が始まった。

男は俺の肩を叩いた。タバコの臭いが、俺のまわりを覆う。

すげぇ~~~~~~臭いです。

タバコを咥えた口で、起用に喋る男はやはり俺の想像通り、いや想像以上に普通じゃなか
った。

俺はうれしかった、あまりの嬉しさに声も出なかった。