あなた=?
「覚悟を決めるのは誰?」
大理石の上にひかれた絨毯の上に歩いているレグルスを見つけた兵士達はすぐに跪き、頭を下げた。
「お、王子……」
しかしその中の一人の兵士が頭を下げたままレグルスに話し掛けた。
「何か、あったんですか?」
「生きていてくださって…何と言えばいいのか……。し、しかし今、私達は王子をお守りできないんです……」
「面を上げてください。そしてその理由を言ってください」
兵士は恐る恐る顔を上げるとレグルスを見た。
「大臣です。今、大臣側の者達のほうが多いのです。王がご病気で倒れ、王子が死んでしまって。王族に従う者が減ってきているのです。もし今、あなた側につけば、私達兵の命が危ういんです……。申し訳ありません」
レグルスは少し何かを考えたあと、長い溜め息をついた。
「わかった。これは命令、いやお願いだな。全兵士に伝えろ。何が合っても大臣側についておけ。そうすれば兵士達の命は問題ないはずだ……」
兵士は何も答えなかったがレグルスは自分の目的地に歩くのを再開した。
「覚悟を決めておかないとなぁ」
レグルスは溜め息混じりの声を出しながらも軽く頭を掻いた。