あなた=?
「これを支えに頑張れる」
「王子!」
「本当に王子なんですか!」
「よかった。生きていらっしゃって!」
国に入ったレグルスは国民に囲まれていた。
「心配させて申し訳ありません、みなさん。でも僕は大丈夫ですから」
レグルスは国に入る前まで、シレーヌと話していたときとは正反対の表情、笑顔を国民に見せた。
「王子、お城にお急ぎになった方がよろしいのでわ?」
シレーヌも同じように先ほどとは違う顔をしながらレグルスに問う。
「あぁ、そうしよう。皆さん、すみません。僕は急いでいるんで」
レグルスは軽く手を振ると国民の輪から離れていった。
そして後を歩いているシレーヌに言った。
「急ぐぞ」
「……あぁ」