あなた=?
「覚悟を決めて」
「なぁ、レグルス。これが片付いたらどうする?」
あたり一面、平原。そんな中、馬に横座りしているシレーヌは地面に立っているレグルスを見た。
レグルスは夕方になっている空を見ながらも答えた。
「結構前に決めていたことをするな。おまえは?」
「……海に行きたいな。できれば、終わったらすぐ」
レグルスはまっすぐ顔を向けていたがその言葉でシレーヌを見た。
「すぐ?」
「あぁ、お前も着いて来いよ」
シレーヌは思い出したかのように付け足した。そして目の前の後景を見ながらも笑みを見せた。
「じゃあ、レグルス。頑張れよ」
シレーヌは目の前で止まった兵士達を見ながらも言った。
レグルスも笑みを見せた。
「まぁ、結果は一つだけどもな」
レグルスは肩よりも上ぐらいの場所で軽く手を振ると前に三歩進んだ。
「大臣、一国の主になってどうだった?」
「……大臣の位はとっくの昔に捨てたよ。今は王だ」
兵士達の前に出て来た大臣を見ながらもレグルスは溜め息をついた。そしてポケットに手を突っ込む。
「……王家の紋章だ。これでいいだろ」
レグルスの手には金色の懐中時計が乗っけてあった。
しかし大臣は軽く鼻で笑う。
「残念ながらもう、それは意味をなさない。なぜなら……俺も持っているから」
大臣は胸ポケットから金色の懐中時計を取り出した。
「……大臣、親父はどうした」
「逃げましたよ。馬鹿な兵士のせいでね。だからこれが私の手にあるんですよ」
大臣は懐中時計を回したりして遊び始める。
一瞬レグルスの表情が安心した表情になったがすぐに大臣を睨みつける。
「これで終わりですよ。レグルス王子」
「………」
「そこの女もだ」
大臣は後ろにいる兵士達を見ると兵士達はシレーヌとレグルスに近づいてきた。
「予想外の事態だな。どうする?」
「……お前はどうするんだ?」
真っ直ぐと近づいてきている兵士達を見ているレグルスが問うとシレーヌも近づいてきている兵士達を見ながらも問い返す。
「終わり、かもな」
「……諦めるのか?」
落ち込んでいる声のレグルスにシレーヌは落ち着いた、しかし棘がある声で問う。
「諦めるのは嫌だ。だがどうすれば良い? それがわからないんだ」
「解決する方法があったらどうする?」
「喜んで使わせて貰うな」
シレーヌはゆっくりとレグルスの顔を見たがすぐに大臣のほうを見た。