顔 下巻
演技ねぇ~。
云っただろ、オレはさ。オレは、他人の顔になることが出来る。
そうすると、その人間の演技を・・するわけさ。
なりきれるわけではないが、それっぽい雰囲気を出さなきゃ。
ならないわけさ。
それで、段々と演技の幅を広げていくとさ。
そのうち、いろんなことを考えるようになったんだよな。
どうして、こういう顔になったのか・・ってね。
例えば・・二ノ宮?
アイツはボンボンで、なに不自由なく暮らしてきた。
多くの人間が、今日明日のシノギの為に働いているのとは
違うんだよ、だから、あんな苦労の無いノーッペリした
面構えになるんだろうな・・とか。
喋り方からして関西弁なのに・・上品じゃない関西弁でさ。
悪ぶらないと・・周りにチヤホヤされて馬鹿にされるのを
恐れていたんだろうな。とかね。